大阪〜奈良の街中を行く山伏たち 地域とのつながりで、復活から続いた1世紀


三宝院門跡大峯山花供入峰

「大峯山花供入峰」は、真言宗醍醐派総本山醍醐寺・三宝院門跡が、全国から集まった300 名余の修験者を従え、修験道の聖地である大峯山(奈良)の山中に蓮華の花を供える
行事。古くは1200 年前の弘法大師の孫弟子・聖宝理源大師による入峰修行にもつながる。1911(明治44)年に復活して以降は毎年6月に行われ、今年で107 回目を迎えた。

 
7日7時に始まった「御法楽 お練り行列」は、報恩院(大阪市中央区)から四天王寺(同、天王寺区)までの早朝の大阪の町中を、300 名の山伏が法螺貝を吹きながら行列した後、四天王寺境内で柴燈護摩供養が行われた。出勤を急ぐ会社員や学生は、このお練り行列に出会い、「日ごろこのような山伏さんたちを見たり、法螺貝の音を実際に聞いたこともなかったので驚いた」と感想を漏らしており、一般の人たちが修験道を再認識する一助となっているように思えた。

真言宗醍醐派近畿連合会の草柳諦世さんによると「この行事は、当山派修験本山・三宝院門跡が大峯山に入るに当たり、行者もお供をして随喜修行する行事として始まりました。和宗総本山四天王寺様では、道中安全だけでなく、国家安寧・仏宝興隆・五穀豊穣・大阪の安全を祈念し、南大門前にて柴さ いとうおおごま燈大護摩厳修が行われますが、これは1990 年の80回目よりご協力いただいているものです」とのこと。

大護摩厳修を終えた一行は、近鉄大阪阿倍野橋駅より電車・バスを乗り継ぎ、洞川到着。すぐに役行者が開山した龍泉寺(奈良県吉野郡)に向かい、洞川の温泉街をお練り行列
した。行列沿道には、小中学生をはじめ多くの地元住民の方々が並び、口々に「ようお参り」と声を掛ける。住民の一人は、「わしも小さい頃からこうやって『ようお参り』と声を掛けたものやった」と語る。この心温まる風景は、地元の方々の大きな心の財産になっているのだ。醐山青年連合会の池上裕全さんは、「洞川があってこその修行。このように温かくお出迎えを頂けることには深く感謝しております。またここに至るまでの道々でも出迎えてご接待下さる方が沢山おられます。そのような御恩に応えるよう修行に励みます」と真摯に語る。その後、一行は翌8日の深夜、午前1時に龍泉寺での水行ののち、大峯山に入り小篠根本道場を目指し、現地では役行者神変大菩薩にお花をお供えし、柴燈護摩厳修した。草柳さんは語る。「この行事はお寺の行事ではありますが、参加した行者たち、大阪や奈良・洞川などをはじめとする一般の方々の思いやご協力に支えられたからこそ、1世紀に渡って続けられたものだと思います。今後、このような思いをどのように皆さんに伝えていくかを大きな課題として取り組んでいきたいと思います」

池上裕全さん
大塚知明さん
お練行列を温かく迎えてくれる地域の方々への感謝の気持ちを語ってくれた、醐山青年連合会 池上裕全さん(写真上)と大塚知明さん(写真下)

2017-08-07 | Category コラム

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