【インタビュー】 國友 憲昭 (臨済宗天龍寺派大本山天龍寺 塔頭 永明院 住職)


臨済宗は今年「臨済義玄(ぎげん)禅師1150年」 、そして来年には「白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師250年」という大きな遠諱が立て続けに行われる。両遠諱のさまざまな行事に協力して、日々学究している天龍寺塔頭永明院(ようめいいん)國友憲昭(くにとものりあき)住職にお話を伺った。

「2016年に京都国立博物館、東京国立博物館で開催された『禅心をかたちに』という展覧会で法話と坐禅会を行ったのを皮切りに、各都市の会場では大坐禅会やシンポジウム、講演など、それぞれの都市に応じて開催されました。臨済宗各御本山としても『禅心をかたちに』展や臨済義玄禅師1150年のための訪中事業など、協力を惜しまずに取り組んでおります」

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2016年10月29日と30日には、大本山建長寺と大本山円覚寺で1000人規模の『鎌倉大坐禅会』が『臨済義玄禅師1150年・白隠慧鶴禅師250年遠諱』の記念企画として開催される。
これに代表されるように、臨済宗と黄檗宗がともに総力を挙げて大遠諱に向けて取り組んでおり、大遠諱に関わる行事は東京、京都をはじめ日本各地で行われる。
 

s_%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97-013月10日に大本山東福寺で営まれた、臨済禅師・白隠 禅師遠諱大法会-半斎の様子

 

s_%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97-023月3日~9日、全国の僧堂の雲水(修行僧)が約200人参集し、報恩接心が行われた

遠諱大法要をはじめ各地の寺院で開催する一般の方向けの坐禅会、日中合同記念法要のための顕彰旅行など、数年前から企画されてきたものがより大きな規模となって行われている。

「中でも今年の5 月に花園大学で開催された国際学会は、国内外の研究者や実践者を招待し、講演や研究発表、討論、交流を展開し、どなたでも参加できるという非常に有意義なものになりました」。

また、来年の5月12日にも花園大学で〝白隠禅師シンポジウムin京都〟というタイトルで開催を予定しており、白隠慧鶴禅師にまつわる研究内容が発表される。

「ほかにも、昨年から今年の2月の期間には臨済禅師1150年遠諱を記念し、南禅寺派管長中村文峰(なかむらぶんぽう)老大師による臨済録提唱が大本山南禅寺にて8月を除いて、毎月行われていました。このように臨黄全宗派が一丸となり、大遠諱を成功させようと頑張っています」と國友住職。

 

独自の勉強会を通じ 宗派を超えて仏教を学ぶ

その精力的な活動意欲は、約7年前から取り組んでいる勉強会に対しても顕著に現れている。

「現在行っている勉強会の前身はだいたい7 年前頃に始めたものが最初で、当初から宗派はもとより、僧侶、一般の方などの区別なく、仏教を学びたい人に広ご参加いただくこと。
そして若手僧侶に学ぶ機会を作りたいという2つが大きなテーマでした。現在は中村元(なかむらはじめ)東方学院と共同開催での勉強会を企画し、東方学院とも縁の深い、花園大学佐々木閑(ささきしずか)教授をお招きして毎回テーマに沿った集中講義をしていただいています」

9月7日と8日の2日間にわたって開催された勉強会のテーマは〝経典を読む〟。両日午前と午後にわたる講義には日本各地から若い僧侶や仏教に興味を持つ一般の人々が集まり、時にユーモアを交えながら進められる。講義は質問なども飛び交い、毎回白熱したものとなっている。
 

s_%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97-02-19月8日に実施された佐々木教授による勉強会の様子

「勉強会のテーマは毎回参加者からのリクエストを参考にしつつ、時事のタイムリーなトピックなども取り入れて決めています。ここで学んだ僧侶が地元に戻って、学んだ経験を他の若手僧侶に伝えるという試みもなされており、今年は佐賀県や静岡県でも勉強会が開催される予定です。
このように学びの裾野を拡大するという役割も担うことで、 大乗仏教がより広く伝われば良いと考えています。
また、勉強会とは異なりますが、今後は原始仏教を学ぶ上で重要な場所であるタイでの僧侶体験を経験できる企画も進行しており、宗派の垣根を越えて人のために何ができるのかを追求していきたいとアイデアを練っている最中です」

宗派を超えることで時に問題が生じることもあるものの、仲間のサポートや、國友住職の行動力に多くの人が賛同している。日々、クリエイティブな発想で大乗仏教を広げることに取り組む 國友住職にその活動の源について尋ねてみた。

「自分自身のテーマは楽しみながら、まずみんなで取り組むということ。これは坐禅会や法話会に対する姿勢も同じで、自分が楽しむことでクリエイティブな発想が生まれてくる。そして大乗仏教を楽しく幸せに学べることを考えて、それをどう実行するかを突き詰め、最終的には人のために何ができるかを道標にしています」

國 友 憲昭(くにとものりあき)プロフィール
米サンフランシスコの広告会社でデザイナーとして活動しながらも 1987(昭和62)年に一旦帰国し宮城県松島瑞厳寺の専門道場に入門し、翌々年に永明院副住職を拝命。
同年、再び渡米し貿易やレストラン経営、店舗デザインなどを手掛けるが、1997(平成9)年に永明院の住職死去に伴い2001(平成13)年に本格的に帰国。
2007(平成19)年に天龍寺第一教区宗務支所長を拝命、現在は天龍寺派教学部長に就任、タイの仏教大学で講演を行うなど日本のみならず国際的に活躍する。

 

臨済宗天龍寺派 大本山天龍寺 塔頭 永明院
〒616-8385 京都市右京区嵯峨天龍寺 芒ノ馬場町60
TEL.075-861-3249
http://www.youmeiin.com/

2016-10-28 | Category インタビュー

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