霊場巡りの素晴らしさを伝える立役者として (嶝 牧夫/株式会社朱鷺書房 代表取締役)


1975(昭和50)年創業の朱鷺(とき)書房は、宗教や教育などの書籍を主に扱う出版社。現在までに68冊の巡礼本を出版し、その95%が霊場公式本という。

自身も取材で各地の霊場を巡る嶝牧夫(さこまきお)さんに巡礼本を手掛けるようになった経緯を聞いた。

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「私の入社時には既に巡礼本の第一人者である故・下休場由晴(しもやすばよしはる)先生や富永航平(とみながこうへい)先生と懇意にさせ ていただいていましたが、巡礼本発行のきっかけとなったのは、創業時からご縁があった真言宗の僧籍を持つ阿部野竜正(あべのりゅうせい)先生です。
阿部野先生に最初に 『生かせいのち』という書籍を執筆頂き、その後浅草寺第27世貫主だった清水谷孝尚(しみずたにこうしょう)先生に『観音巡礼のすすめ』を、 宮崎忍勝(みやざきにんしょう)先生に『四国遍路』を執筆して頂いたのが契機だと聞いています。こういった先生方とのご縁が現在の当社の礎となっています」。

したがって、朱鷺書房が発行する巡礼本は観光ガイド的な内容にとどまらないのが特徴となる。

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「当社のモットーは現代人の心を見つめる息が長い書籍を世に出すことですが、宗教関連の書物や巡礼本はその代表的存在だといえます。私も各地の巡礼をするようになり、巡礼本を手掛ける上でより“お寺からの声”を届けたいと願うようになりました。単なるガイドに終始せず、法話を掲載しているのも当社の巡礼本の特徴ですね」

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巡礼本を作成するにあたり、中には非常に印象深いエピソードも。

「感慨深いのは2010年10月に取材をした『東北三十六不動尊霊場ガイド』です。編集作業をしていた翌年3月に東日本大震災が起こり、多くのお寺が甚大な被害を受けました。特に陸前高田市の金剛寺は全てが津波に飲まれ、残ったのは高台にあった不動堂だけ。
『東北三十六不 動尊霊場ガイド』は震災前の貴重な写真を掲載し製作中だったため、復興の一端となればと前倒しで出版しました」。

この『東北三十六不動尊霊場ガイド』には金剛寺の在りし日の美しい景色と立派な本堂が掲載されている。

「これが復興に役立てばと願ってやみません。今後も復興のお手伝いするだけでなく、まだ世に知られていない霊場を紹介し、多くの人に霊場巡りの素晴らしさを伝えたいと考えています」

s_160912_048プロフィール
嶝 牧夫
株式会社朱鷺書房 代表取締役
2007(平成19)年に急逝した兄の後を継ぎ株式会社朱鷺書房の代表取締役に就任。
奈良の寺院について興味を持ったことをきっかけに神社仏閣について学ぶように。現在は自ら霊場を巡って取材に携わる。
 
 

株式会社朱鷺書房
〒533-0031 大阪市東淀川区西淡路1-1-9 ビジネス新大阪1F
TEL. 06-6323-3297  
http://www.tokishobo.co.jp/

情報誌・寺社Now vol.11「活性人」 より

2016-11-08 | Category インタビュー

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