【行政・観光リポート】“動く漫画”で八溝山をPR! 大田原市が全国初の取り組みを実施。


栃木県大田原市が文星(ぶんせい)芸術大学と連携し、八溝山(やみぞさん)をテーマに、マンガに音声や動きを加えた「モーションコミック」による市のPR 動画を制作した。
自治体がモーションコミックを使ってPR 動画を制作するのは全国初の試みで、すでに動画投稿サイトYouTube などで公開され話題を集めている。
制作のきっかけについて、大田原市政策推進課の飯塚健次(いいづかけんじ)さんは「文星芸術大学の長島重夫地域連携センター長から大田原市長から紹介があり、同大にPR 動画の制作を依頼しました」と語る。

八溝山をテーマにした理由については、「八溝山は空海が名付けたと言われる信仰の場でもありますが、全国的な知名度は得られていません。しかし近年、清冽(せいれつ)な水と豊富な自然に囲まれた八溝山をハイキングや自転車で登る愛好家が増加していることもあり、首都圏からの誘客促進に期待できる八溝山に焦点を当て、PR 動画を制作するに至りました」と飯塚さんは話す。
 

八溝山の“何もない自然”の魅力をモーションコミックで表現

モーションコミックとは、マンガなどの絵をパソコンに取り込み音声や動きを付けた動画のこと。アニメーションと比べ費用や制作時間が3分の1程度に抑えられるメリットがある。
とはいえ、今回PR 動画の制作を手掛けた同大マンガ専攻の田中誠一(たなかせいいち) 教授は「八溝山が観光地ではなく“何もない自然の魅力を伝える”ことをテーマにしていたので、とにかく現場へ出向き、自分の足で歩いて八溝山の自然を体感しようと往復4時間かけ20回以上取材・調査へ訪れました」と人知れぬ苦労も話してくれた。
 
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「八溝山周辺の自然の美しさを絵で表現するため、色彩、光、磯上(いそがみ)の山桜、川の流れの動きなど何度も試行錯誤を重ねて制作しました。動画で流れているバスや鐘の音などは、その場で録音した音を使っています」
 

行政、大学、寺社が連携し映像を通して地域の魅力を発信

タイトルを『天地の生粋』、サブタイトルを“なにもないけどいいところ八溝山”と題し完成したPR 動画には、市の名所の一つとして臨済宗妙心寺派の名刹・雲巌寺(うんがんじ)が紹介され、住職の原(はら)老師も登場する。
 

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大田原市モーションコミック『天地の生粋』の1シーン ⓒ大田原市

 
「雲巌寺へ足を運ばせていただいた際に、原老師が『八溝の自然の中で生きる話』を語ってくれました。その中の『天地の生粋』という言葉がとても印象的で、本モーションコミックのタイトルに使わせていただきました」と田中教授。

八溝山周辺地域定住自立圏内には、大田原市のみならず由緒ある寺社が数多く点在。飯塚さんは「これらの寺社を地域資源として捉え、その地域に暮らす住民、観光客双方に歴史や特性を強く認識してもらい、地域振興を実現したい」と、今回のモーションコミックによるPR 動画を機に、当該地域のさらなる魅力発信を目指す。

このモーションコミックは大田原市公式サイトのYouTube チャンネルなどで公開している。

 
 

※情報誌 寺社Now vol.13 特集より

2017-03-07 | Category レポート

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