【うちのお宝】「伝説」と共に後世に伝えたい茨城県指定重要文化財  中将姫三尊種子刺繍曼荼羅 絹本著色曼荼羅


大きく描かれた3つの梵字(ぼんじ)。信者の髪で刺繍したものと伝えられるが、素材は不明。上の梵字は「キリーク」で、阿弥陀如来を表し、右の「サ」は観音菩薩を、左の「サク」は勢至菩薩(せいしぼさつ)を表現している。
上部には蓮華唐草模様の天蓋、下部には三足卓に載せた蓮の花が生けられた花瓶と三足香炉、三足卓が配置されている。黒と金を基調にした曼荼羅は荘厳な雰囲気が漂う。
 

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中将姫三尊種子刺繍曼荼羅(ちゅうじょうひめさんぞんしゅじししゅうまんだら)絹本著色曼荼羅(けんぽんちょしょくまんだら )の全体

 

s_03_b信者の髪で刺繍したものと伝えられる梵字

 室町時代前期の作品だが、藤原不比等(ふひと)の孫を父に持つ中将姫(ちゅうじょうひめ)〔747(天平19)年~775(宝亀6)年〕が制作したとの伝承もある。

中将姫は奈良・當麻寺(たいまでら)にある「當麻曼荼羅(たいままんだら)」を織ったとされる人物で、彼女にまつわる伝説は平安時代から広まる。
この伝説とは、継母に雲雀(ひばり)山に捨てられた姫が17歳で當麻寺に入門。26歳の時に長谷観音のお告げで、蓮の茎を集めて糸を繰り、一夜で當間曼荼羅を織り上げ、29歳の時に一丈の光明と共に現れた阿弥陀如来と二十五菩薩に、生きたまま極楽浄土へ連れて行かれた話である。

天台宗の学問所として優れた人材を輩出してきた月山寺。この曼荼羅は境内の美術館に展示され、今なお多くの信者や参拝者に親しまれている。

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天台宗 曜光山(ようこうざん) 月山寺(がっさんじ)
〒309-1451 茨城県桜川市西小塙1677
TEL:0296-75-2251
http://www006.upp.so-net.ne.jp/youkouzan/

情報誌 寺社Now vol.13「うちのお宝」より

2017-03-06 | Category コラム

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