【食への感謝、自然への畏敬を伝える】 戸隠神社 宿坊 旧延命院 お宿諏訪(長野県)


聚長自ら育て、打った、薫り高い自家製そばを振るまい、食への感謝、自然への畏敬を伝える

天照大神が隠れた天岩戸が九州から飛んで来てできたとされる戸隠山。険しい山容は、比叡山、高野山と並ぶ修験道の霊場として称されている。その麓に戸隠神(とがくしじんじゃ)がある。
神仏混淆時代には三千坊といわれた宿坊も、今では限られた37軒が戸隠講(とがくしこう)(戸隠神社を崇敬する団体)の講員や観光客を迎え入れている。
 

s_img-1039宿坊内にある戸隠神社の分霊を祀った神殿でご祈祷が受けられる

 全国的にも神社の宿坊は数少ないようだが、戸隠神社では、神仏分離となった明治の頃から宿坊の責任者は神職でなければならなく、御師(おし)として講員と神社の仲介役である聚長(しゅうちょう)を任命され、世襲が義務づけられている。
約20年前、先代を病気で亡くし、20歳代前半で宿坊を引き継いだ聚長の諏訪雅彦(すわまさひこ)さん。「今振り返ると宿坊の仕事について常に原点は何かを模索しながら奔走してきたことが、私どもが守ってきた宿坊の原点だと思います」と、これまでを振り返る。

平安の時代から続く旧延命院(きゅうえんめいいん)お宿諏訪(やどすわ)。
参詣者と神を繋げる役目を第一にしつつ、今では観光客も受け入れており、希望があればお札、おみくじを受けることができる。難解なおみくじの解説や御幣奉製(ごへいほうせい)授与も同宿坊ならではのもてなしだ。
また宿坊内の神殿では祝詞写筆(のりとしゃひつ)やご祈祷も受けられ、心の平安を取り戻すことができる。
 

s_img-1035和の空間の客室。全部で6部屋ある

 食事は季節の地の物、信州産の食材にこだわるほか、戸隠では修験の時代から重要な食べ物として重んじられていた蕎麦は、自家製の在来種。聚長自ら育て、打った、薫り高い蕎麦がいただける。
「神社を中心とした戸隠の地域性から、食への感謝、自然への畏敬は純粋なもので、大切にしている気持ちです。ご宿泊の方にもさりげなく感じて欲しい」とその思いを語る諏訪聚長。
 

s_img-1004お宿諏訪を運営する諏訪雅彦聚長

 今年からはスノーシューが楽しめるよう装備やガイドの準備も整えた。講員のお世話と拡大を第一としつつ、一般客には戸隠の魅力発信も忘れない。宿坊、聚長以外に他の神社の宮司を努めるなど多忙を極める諏訪聚長だが、「今後は戸隠の宿坊の原点である戸隠講の発展にも努めたい」と語ってくれた。

宿坊開設までの歩み
創業:およそ平安時代から
2002年頃:客室、お風呂、ロビー、廊下などを徐々に改装
2017年:4月より客室の改装予定

主な体験内容
祝詞写筆、ご祈禱、御幣棒製授与、おみくじ、解説

住 所:〒381-4100 長野県長野市戸隠2336番地
T E L :026-254-2018
U R L:http://www.enmeiin-suwa.com
客 室 数:6室  収容人数:20名
主な施設:神殿、貸切浴場(半露天風呂1、檜ジャグジー)、食事処、林芙美子ミニギャラリー

情報誌・寺社Now vol.13「和空presents 宿坊運営ノート 」 より

2017-03-03 | Category レポート

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