東京・上野公園の東京国立博物館(東京都台東区)で、特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」が開幕した。この展覧会は、真言宗大覚寺派大本山・大覚寺(京都市右京区)の開創1150年を記念し、2026年の節目を迎える前に、同時に受け継がれる寺宝を一挙に公開するもの。会期は2025年3月16日まで。
嵯峨天皇(786-842)は、平安時代初期に嵯峨の地に離宮「嵯峨院」を造営し、空海の勧めにより五大明王像を安置した。この地は後に皇女・正子内親王の願いにより寺院へと改められ、大覚寺が開創された。嵯峨天皇は、空海、橘逸勢と並び「三筆」と称され、王朝文化の礎を築いた人物である。
本展では、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した絵師・狩野山楽が描いた重要文化財「牡丹図」を含む障壁画が、前期・後期に分けて計123面公開される。また、平安時代後期の仏師・明円による本尊「五大明王像」(同)や、歴代天皇の書や肖像画など、ゆかりのある文化財が展示される。これらは、王朝文化の雅を感じられる特別な空間で立体的に演出され、鑑賞者に豊かな歴史の世界を体感させる内容となっている。
東京国立博物館「大覚寺展」の見どころ
▪障壁画123面を公開
安土桃山から江戸時代にかけての重要文化財である障壁画を、修理を終えたものを中心に前後期計123面展示
▪歴代天皇の優美な書
大覚寺統にゆかりの深い歴代天皇の宸翰を出展
▪五大明王像、東京初公開
平安時代後期の明円作とされる「五大明王像」5体そろって初めて東京で公開
▪非公開建築の再現展示
通常非公開の重要文化財「正寝殿 御冠の間」を会場内に再現
▪源氏ゆかりの兄弟刀の展示
大覚寺所蔵の太刀「銘忠(薄緑・膝丸)」と北野天満宮所蔵の太刀「銘安綱(鬼切丸・髭切)」、兄弟刀が揃う貴重な機会

会場内特設ショップで、出品作品をモチーフにしたオリジナルグッズ販売:左上)大覚寺の本尊でもある明円作「重要文化財 五大明王像」の中から、不動明王をぬいぐるみに! 左下)本展の見どころ「襖絵」がクッションに。実際の作品と同じように、「牡丹図」と「紅白梅図」がそれぞれ裏表になった計2種類、右)そのほかTシャツなど多種多様なアイテムを展開
🔽参考:美術展ナビ
🔽参考:アイエム[インターネットミュージアム]Internet Museum
🔽参考:BS日テレ「冨永愛の伝統to未来チャンネル」
🔽参考:【TVCM】1996年 春「大覚寺」そうだ 京都、行こう。
🔽東京国立博物館特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」公式サイト:
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/daikakuji2025/
🔽旧嵯峨御所「真言宗大覚寺派大本山大覚寺」公式サイト:
https://www.daikakuji.or.jp/