新聖地探訪!松岡正剛館長、隈研吾デザイン☆角川武蔵野ミュージアム 「武蔵野令和神社」の秘密【ところざわサクラタウン】

社殿内にもコンテンツがぎっしり

隈研吾氏による建築の仕掛けにも圧倒されるが、実は社殿で注目したいのは、随所に取り入れられている伝統の技やアートだ。

「建物全体は隈研吾さんによるデザインですが、社殿の中は何代にも渡って神社建築を担当されてきた方に依頼し、邸内社と言えども伝統的な神社の建築様式を踏襲しています。男性神を象徴する外削(そとそぎ。先端を垂直に削ったもの)、女性神を象徴する内削(うちそぎ。先端を水平に削ったもの)が交差した2本の千木(ちぎ。神社建築の屋根部材)が天に向かっていくような作りになっているのも、ここでお参りした人たちの願いが神様のもとに届き、同時に神様からの啓示も受け取ることができるようにという意味が込められています」(小川宮司)

社殿の天井画は、人気RPG『ファイナルファンタジー』のキャラクターデザイン担当・天野喜孝が、KADOKAWAのシンボルである鳳凰を描いた。さらに、御祭神の横に神使として仕えるのは、彫刻家・土屋仁応によるニホンオオカミだ。

拝殿はガラス越しに望む。手前には賽銭箱が置かれている

天野喜孝氏による二対の鳳凰の天井画

土屋仁応氏のニホンオオカミ像は狛犬のように、拝殿の傍に対で座る

「伝統を大切にしながら、令和のこの時代に神社を新たに建てる。そのことを追求した結果、さまざまな才能が集結し、このような素晴らしい社殿ができたと感じています」(小川宮司)

ガラス張りゆえに、夜間にはライトアップされたその様子がより幻想的に映る。周囲には街灯もなく、これまで夜道はまっくらだったというから、その明かりは地域の人々にとって安心ももたらしている。

地域の拠りどころとして輝く武蔵野坐令和神社[photo 岡本寛治]

日本の信仰と世界に誇るコンテンツに触れることのできる場

「神社が集いの場として、日本の信仰やカルチャーを知るきっかけになってほしい」と小川宮司は願っている。2021年(令和3)3月から5月にかけて、KADOKAWAメディアワークス文庫から刊行されている人気小説シリーズ『神様の御用人』と神社のコラボレーションも実現した。

「作品には、人々がお参りに来なくなったことで、登場する神様のパワーが削がれてしまったというエピソードがあります。どんなにその場所やそこに祀られた神様の力が素晴らしいものであっても、信仰というものは、人々の祈る気持ちや願う気持ち、敬う気持ちがなければ成り立ちません。だからこそ、作品をきっかけに神社に足を運んでもらえたら、これは大変嬉しいこと。その思いでコラボレーションしました」(小川宮司)

人気アニメ映画『もののけ姫』『君の名は。』『天気の子』など、日本のコンテンツには自然への畏怖を感じさせる作品が数多くある。目に見えないもののチカラを感じることは、まさに神道にも通じ、親和性が高い。武蔵野坐令和神社が、アニメツーリズムの拠点としての役割も果たしていこうとしていることは十分理解できる。

KADOKAWAが一般社団法人アニメツーリズム協会の一員でもあることから、同協会が選定している「アニメ聖地88」の1番札所としてのインフォメーションスポットも、武蔵野令和神社の授与所に設置された。

アニメ聖地88とコラボしたお守りや御朱印帳も。アニメ聖地88のスタンプ帳にもなっている

「成田空港を0番札所、東京都庁を88番札所と定め、海外から来たアニメファンの方々にも聖地巡礼を楽しんでいただこうという企画です。ところざわサクラタウンは令和2年、コロナ禍でのオープンとなり、まだ海外からの参拝者はほとんどお見えになられていませんが、コロナ後には、世界中のアニメファンの集いの場にもなってほしいと考えています。そのために、授与所で奉職するスタッフは、外国語も堪能なんですよ」(小川宮司)

アニメは、日本が世界に誇るコンテンツであり、日本発の新たな文化と言える。一方で神道も日本のよき文化であり、武蔵野令和神社は双方を伝えていく新たな発信の場としての可能性を秘めている。社会が平穏を取り戻し、いずれまた外国人旅行者が訪れるようになった時に、この新しい神社は彼らの目にどのように映るのか、今からその反応が楽しみだ。


武蔵野坐令和神社(むさしの にます うるわしき やまとの みやしろ)
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3丁目31番地3 ところざわサクラタウン
TEL:04-2003-8702
休み:火曜定休(祝日の場合は翌平日に振替)
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監修:全国寺社観光協会

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