世界遺産・吉野山を望む居心地のいい小さな宿坊に連泊客が憩うシンプルな理由【奈良県吉野町・宝塔寺】

静かな環境と応対力で長居したくなる宿に

「歴史や自然など、吉野山を訪れる目的はいろいろありますが、当寺院を訪れる人の目的は、宿泊です」と寺島法瑞(てらしま・ほうずい)住職。

宝塔寺は、平成29年(2017)、民泊新法の施行と同時に宿坊を開設した。この山の上のこじんまりとした宿坊には、大きくふたつの魅力がある。

一つ目は、ゆったりと過ごせる静かな環境だ。吉野山のランドマーク、金峯山寺蔵王堂が見えるテラスを備えたカフェ。敷地内にウッドデッキや手作りのブランコまである。「休みに来てほしいから」と、写経や勤行への参加、講話などの仏教体験は希望があれば受け付けている程度だ。

二つ目の魅力は、徹底した宿泊前コミュニケーションだろう。まずゲストのリクエストを聞き、できることとできないことをしっかり伝える。過度に期待されてもギャップが生じる。宿や食事について丁寧に説明をして、十分納得したうえで訪れてもらう。

宿泊客の対応を一手に引き受けている奥様の誉知子(よしこ)さんは、「相手が求めていることをキャッチして、提供できるものはしていきます」という柔軟な姿勢で臨んでいる。そのため利用者の満足度は高い。

先代の住居だった建物を改装し、1階はカフェ、2階を宿泊に供している

1階では定期的にフラワーアレンジメント教室も開催される。カフェでは自家製酵素ジュースなども提供

客室数は3部屋。食事はカフェで用意する

日中をカフェのテラスでぼんやりと過ごす人も多い

テラスの前には竹林が広がり、風に揺れる笹の音が心地よい。ウッドデッキは枝垂れ桜の下に。春は特に人気の居場所

テラスを下から眺めると、名作アニメ『アルプスの少女ハイジ』をイメージしたブランコが

人なつこいヤギもファミリー

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監修:全国寺社観光協会

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