「絵画入門 よくわかる神仏と人物のフシギ」
静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
2025年7月5日(土)~9月23日(火・祝)
特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
東京国立博物館
2025年9月9日(火)~2025年11月30日(日)
興福寺北円堂は、創建者・藤原不比等の追善のために721年に建立され、度重なる焼失を経て1212年頃に運慶一門により再興された。本展では、堂内に安置されていた弥勒如来像、無著・世親像、そして中金堂の四天王像を組み合わせ、鎌倉時代復興当時の北円堂内陣を再現する。弥勒如来像と無著・世親像は、写実性と落ち着きを兼ね備え、運慶が晩年に到達した境地を示す。一方、装飾豊かで表情に迫力を持つ四天王像は、異なる趣を持ちながらも優れた造形美を誇り、運慶一門の作とされている。仏像群が織りなす祈りの空間に注目が集まる。
特別展「宋元仏画─蒼海(うみ)を越えたほとけたち」
京都国立博物館
2025年9月20日(土)~11月16日(日)
中国・宋と元の時代に制作された「宋元仏画」は、卓越した技術と芸術性で中国絵画史においても特筆される作品群。平安後期から鎌倉時代を中心に日本にもたらされ、寺院で祀られたり、絵師の手本として日本文化に深く浸透してきた。本展では、国内に所蔵される宋元仏画を一堂に集め、制作地の文脈や時代背景を踏まえながら特色を解説。描かれる内容や制作地、時代、制作者の違いにより多彩な表情を持つこれらの仏画を紹介し、その魅力に迫る。また、これらの仏画を受け入れ伝えてきた日本文化の国際性や包容力を浮き彫りにし、仏教絵画を通じた日中間の文化交流の意義を再確認する内容となっている。
特別展「法然と極楽浄土」巡回展
九州国立博物館
2025年10月7日(火)〜11月30日(日)
平安時代末期、内乱や疫病が続く中で法然(1133–1212)は比叡山で学び、中国の善導(613–681)の阿弥陀仏信仰に触れた。1175年、阿弥陀仏の名号を称えることで万人が救われると説き、浄土宗を開宗。その教えは貴族から庶民にまで広がり、今日まで浄土宗の基盤として伝えられている。本展では、法然による立教開宗から弟子たちの諸派創設、徳川将軍家の帰依を経て発展した歴史をたどる。国宝や重要文化財を含む貴重な作品を通じ、教えの広がりや文化財に込められた背景を明らかにする内容となっている。法然と門弟たちが示した救済の思想や、長い歴史の中で守られてきた文化財の魅力を改めて考え直す機会を提供する。
「祈りの色と造形 根来」(仮称)
サントリー美術館
2025年11月22日(土)~2026年1月12日(月・祝)
「根来」と呼ばれる漆器は、中世に隆盛を誇った和歌山県の根来寺で生産されたと伝えられ、黒漆に朱漆を重ねた特徴的な技法で知られる。耐久性と美しい造形を備えた根来は、古くから寺院や神社の信仰の場で使用され、近世以降には民衆の生活の中でも大切に扱われた。本展では、根来塗の誕生とその歴史的背景に迫るとともに、漆芸としての色彩や造形美を持つ名品を一堂に展示。信仰の場や生活の中で息づいてきた根来の魅力を深く感じられる構成となっている。
「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書」
三井記念美術館
2025年12月6日(土)~ 2026年2月1日(日)
「たたかう仏像」
静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
2026年1月2日(金)〜2026年3月22日(日)
令和7年度早春展「石からうまれた仏たち」(仮)
永青文庫
2026年1月17日-3月29日
2019年に開催され好評を博した「石からうまれた仏たち」展が、一部内容を変更して再登場。永青文庫が所蔵する東洋彫刻コレクションを中心に、中国、インド、東南アジアの仏像や彫刻が公開される。永青文庫の設立者・細川護立(1883–1970)は、中国美術や東南アジア彫刻を幅広く収集し、そのコレクションは北魏から唐時代の中国彫刻を含む重要な作品群を擁する。特に、早崎稉吉(1874–1956)の旧蔵品を基にした中国彫刻は、各時代の特色を反映した代表作が揃う。本展では、重要文化財「菩薩半跏思惟像」や「如来坐像」をはじめとする中国彫刻のほか、インド彫刻など多様な作品を展示。7年ぶりの公開となる品々も含まれ、東洋彫刻の魅力を多角的に伝える内容となっている