シングルマザーの新米神主が神社再興&地域活性化に挑戦する理由。

白川に戻ると山々に抱擁されるような感覚になると辻さんは言う

國崎八幡神社の権禰宜・辻加奈子さん。現在、白川地区の神社13社を兼務している

福岡県北東部、のどかな田園風景が広がる京都郡苅田町の白川地区に鎮座する國崎八幡神社。平安時代創建と伝わる1000年の歴史ある神社だが、地域の人口も少なく、ほんの少し前まで後継者不在で、境内も手入れが行き届かず、全体にすすけた印象を漂わせていた。

ところがこの神社が、今まさに大きな変貌を遂げようとしている。クラウドファンディングによる浄財で、傷んだ神殿や境内を改修し、以前とは見違えるほどきれいに。地域を活気づけるためのイベントも行われ、人々の交流が生まれる場に成長しつつある。

そんな國崎八幡神社の再興に取り組んでいるのが、宮司の娘である権禰宜の辻加奈子(つじ・かなこ)さんだ。辻さんは、一度は地元を離れて東京で暮らすも、離婚を機に幼い息子を連れて帰郷。たくさんの人たちの力を借りながら、神社を立て直すだけでなく、地元・白川を元気にする活動に邁進している。

彼女は、なぜ神主になったのか。神社と白川の、そして自分自身の未来をどのように思い描いているのか。今回寺社Nowでは、紆余曲折の末に地元に戻ったひとりのシングルマザーが、新米神主として神社の再興と地域の活性化に取り組むチャレンジをレポートする。

※「白川」は辻さんの故郷の旧名「白川村」のこと。現在、この地名はなく、「白川」の呼び名だけが残っている。

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監修:全国寺社観光協会

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