【寺社Now職人図鑑】絵馬に願ひを。絵馬師・永崎ひまる(神道文化賞受賞者)

【寺社Now20号(平成30年7月発行)】より ※情報は掲載時のものです

神道文化賞の受賞で気づかされた使命

永崎ひまるさんが“絵馬師”として神道文化賞を受賞したのは、今から2年前。それまで神社界の伝統文化の伝承に貢献した人に贈られる同賞の受賞者の多くは、神職だった。

「私が神道文化賞をいただくまでは絵馬師という専門職があること自体、神社関係者でも知らない方が多かったと思います。絵馬師は、自分の名前を表に出してはいけないと思っている方も少なくないですから」

世界文化遺産登録記念として、地域の人たちが資金を出し合って奉納した福岡・宗像大社の大絵馬と永崎さん。樹齢300年以上の天然木曽ヒノキに手描きした

その受賞を後押ししたのは、絵馬を奉納した山梨・浅間(あさま)神社の宮司だった。推薦を受けたことで、絵馬師という職業を次世代につないでいかねばという思いが芽生えたそう。同時に、神社からの反応にも変化が。

「静岡の小國(おくに)神社に絵馬を奉納した際、担当の神職様から『署名が小さすぎるので大きく』とご指摘をいただきました。私が描いたことを押し出したいと言ってくださったんです」

それは、絵馬にも“ブランド力”が求められるようになった現れだった。

伊勢神宮の内宮・参集殿にて平成30年に授与されていた、「戌」の開運絵馬

永崎さんは埼玉県のユネスコ無形文化遺産細川紙・小川町ふるさと大使も務めており、鹿児島・霧島神社の特別大祭記念絵馬には、その和紙を使用

山梨・甲斐國一宮浅間神社に納められた絵馬は、ポップなタッチが印象的。こちらはコンピューターグラフィックで描かれている

「神社によって絵馬に描きたいもの、描いてはいけないものが違います。私は、そうした神社の個性を汲んだ上で、参拝者が“持ち帰りたい”と思える、特別な絵馬を描きたい。絵馬を通じて神社に人を呼ぶきっかけを創れたら嬉しいですね」

今後、新たな木曽ヒノキの大絵馬が東京大神宮にも奉納される予定だ。

永崎ひまる
絵馬師・和風画家・作家。平成27年度神道文化賞受賞者。日本唯一の神社界公認の絵馬師。伊勢神宮崇敬会、出雲大社、宗像大社、東京大神宮、神田明神、甲斐国一宮浅間神社、万九千神社など、多くの神社に絵馬を御奉納・展示。羽田空港国際線ターミナル(第3ターミナル)お祭り広場には大絵馬【羽田空港大絵馬鳳凰と富士】が常時展示されている。作家として『アラン・デュカス秘密のレシピ』で、2014年グルマン世界料理本大賞イラストレーション部門大賞受賞。ユネスコ無形世界遺産・細川紙、小川町ふるさと大使
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