葵の紋章が浮かび上がる鳥居派の作 絵馬「三国志三傑図」(福島県・田村神社)


中央が諸葛孔明、右に張飛、左に関羽、蜀の皇帝劉備の忠臣が描かれている。右下の穴から3人の軍議を覗いている構図が面白い。

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田村神社本殿にある浮世絵師・鳥居忠次(とりいただつぐ)作「三国志三傑図(さんごくしさんけつず)」は、縦180㎝、横270㎝ もの家型大絵馬で、福島県の重要文化財に指定されている。

絵の左上には消した跡を残す葵の御紋がある。明治時代に消されたのだろうが、徳川家ゆかりの者が国家の安泰を願って奉納したものと考えられる。
大和絵に見られる左上からの視線で捉えた吹抜屋台(ふきぬきやたい)という画法で描かれ、忠次の名の左には入口の穴があり内部を覗き込んだ展開図となっている。
 

s__MG_9125鳥居忠次の名と内部をのぞき込む入り口の穴(絵馬右下隅拡大写真)

この絵馬を含め、田村神社には県や市の重要文化財が9つもある。
歴史は古く、坂上田村麻呂が聖観音像(しょうかんのんぞう)を奉納したことに始まる。三春(みはる/現・田村郡三春町)の姫君、愛姫(めごひめ)が伊達政宗への嫁入り前に参詣し、桜を植えたという記録も残る。

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「先日、枯れた愛姫桜の跡に新しい桜の植樹式を行いました。例大祭の奉納相撲も続いています。歴史を伝えるためにもこうして形を残してゆきたい」と遠藤昌弘宮司。
神社のある山の下草刈りは地域の人が総出で行うなど、伝統は粛々と守られている。

<寺社情報>
田村神社
〒963-1162 福島県郡山市田村町山中字本郷135
TEL:024-955-2630

情報誌 寺社Now vol.12「うちのお宝」より

2017-01-18 | Category コラム

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