【大和文華館】 特別展「聖域の美 ―中世寺社境内の風景―」

公益財団法人 大和文華館のプレスリリース

近鉄グループの文化事業である大和文華館では、10月5日(土)から11月17日(日)まで、特別展「聖域の美 ―中世寺社境内の風景」を開催いたします。

江戸時代の俳人松尾芭蕉は、みちのくの古寺を訪れ、「佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ」という言葉を残しています。神仏の坐す境内を歩いていると、しんしんと心が透きとおっていくようだという芭蕉の感懐は、寺社境内を訪れた際に私たちの胸を去来する思いと、なんら変わりません。

古来、人々の心のよりどころとして、美しく整えられ、護り伝えられてきた特別な場所が、寺社の境内です。本展では、高野山や園城寺といった大寺院をはじめ、丹波の出雲神社、近江の御上神社、そして会津磐梯山のふもとの慧日寺まで、日本各地の寺社境内を描く、鎌倉時代以降の絵画を一堂に集めます。日本の風景画の最上の作品をとおして、時空を超えた寺社巡りをお楽しみください。

展覧会みどころご案内

1章 聖域の静謐と荘厳  
まずは、静かで厳かな鎌倉時代の寺社境内へ。天空の高みから見下ろしたような
広大な風景は、見る者を絵のなかに引き込みます。(図1)

2章 物語をはぐくむ場所  
つづいて、神仏と寺社をめぐる物語に溢れた境内へ。(図2)

3章 境内の記憶と再興  
荒廃からの復興を願って作られた絵図には、人々のあたたかい思いがにじみます。
(図3)

4章 にぎわう境内  
泰平の世を迎えれば人々はピクニック気分で寺社参詣にでかけます。
狩野永徳筆「洛外名所遊楽図屏風」など、華麗な遊楽図屏風をそろえました。

図1 高野山水屏風(左隻・京都国立博物館蔵)

図2 伊勢曼荼羅図(部分・正暦寺蔵)

図3 慧日寺絵図(部分・恵日寺蔵)

【1】「聖域の美」展について
1.名称 「聖域の美 ― 中世寺社境内の風景 ―」
主催・公益財団法人 大和文華館 共催・読売新聞社 助成・芸術文化振興基金
2.会期 2019年10月5日(土)~11月17日(日)
休館日  毎週月曜日 (ただし、10月14日〈月・祝〉、11月4日〈月・振替休日〉は
開館し、10月15日〈火〉、11月5日〈火〉が休館)※会期中展示替えあり
3.開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
4,入館料  一般 950円  高校・大学生 730円  小学・中学生 無料
5.出陳作品 34件

1章 聖域の静謐と荘厳
重要文化財 笠置曼荼羅 大和文華館蔵 鎌倉時代
重要文化財 高野山水屏風 京都国立博物館 鎌倉~南北朝時代
重要文化財 園城寺境内古図 園城寺蔵 鎌倉~南北朝時代 前期展示
2章 物語をはぐくむ場所
重要文化財 玉垂宮縁起 玉垂宮蔵 南北朝時代 前期展示
伊勢曼荼羅 正暦寺蔵 南北朝時代
3章 境内の記憶と再興
慧日寺絵図 恵日寺蔵 室町時代
松尾神社絵図 松尾大社蔵 室町時代
報恩律寺七堂図 報恩寺蔵 室町時代
4章 にぎわう境内 
洛外名所遊楽図屏風 狩野永徳筆 個人蔵 片隻ずつ展示
重要文化財 吉野花見図屏風 細見美術館蔵
浅草寺境内図屏風 越葵文庫 福井市立郷土歴史博物保管

【2】会期中のイベントについて

(1)講演会 「聖地の絵画化と権力 ――春日、山王、竹生島」
日時・場所 10月20日(日)午後2時から大和文華館講堂にて
講師    成城大学教授 相澤正彦氏
講演会   「風景画として見る境内図 ――歩く眼、佇む眼」
日時・場所 11月10日(日)午後2時から大和文華館講堂にて
講師    国立国際美術館館長 山梨俊夫氏

(2)日曜美術講座 「中世寺社境内の風景」
日時・場所 10月13日(日)午後2時から大和文華館講堂にて
講師    大和文華館学芸部長 泉万里

(3)華コンサート 「秋風にそよぐコスモス」
日時・場所 10月26日(土)午後1時から1時40分まで大和文華館講堂
当日午前10時から受付棟にて配付する整理券が必要です。
演奏者   中野振一郎(チェンバロ)

(4)帝塚山高等学校茶道部による呈茶
日時・場所 11月9日(土)午後1時30分から3時30分
大和文華館本館ロビー

(5)大和文華館学芸部による列品解説
日時・場所  毎週土曜日 午後2時から・大和文華館展示場

※何れのイベントも参加は無料ですが、入館料が必要です。

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監修:全国寺社観光協会

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