― 寂聴さん100歳の誕生日(2022年5月15日)に合わせて刊行予定だった本書。寂聴さんが遺した一つ一つの言葉に、人がいきいきと日々を生きるためのヒントがちりばめられています ―
2021年11月9日に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さん。今回、寂聴さんが1998年から2021年にかけて出演したNHKラジオの音源をもとに再構成し、さらに高橋源一郎さんの特別寄稿「瀬戸内さんの文学とわたし」も収載した『百歳 いつまでも書いていたい 小説家・瀬戸内寂聴の生きかた』(NHK出版、2022年3月10日刊)が発売されます。
日本人のほとんどが寂聴さんを知っていますが、それは出家者・僧侶としてではないでしょうか。寂聴さんはこの状況に対して、了解しながらも少々不満でした。「法話は出家者としての義務で、本業は小説家。わたしが数え100歳になっても活動を続けられる理由は、いつまでも書いていたいという気持ちがあるから」と話していました。それを裏付けるのが、本書に掲載したラジオ番組での独り語り、そして、伊藤比呂美さん、高橋源一郎さんとの対話の肉声です。「死ぬまで書き続ける。だって、それが楽しいから」。そこで語られる寂聴さんの言葉は、法話とは一味違う、文学者の視点や小説家としての本音・気概に満ちていることがおわかりになると思います。
小説家、僧侶、大学学長と多彩な顔を持っていた寂聴さん。コロナ禍で我慢の日々が続く中、瀬戸内寂聴の言葉から生きるヒントや元気をもらいませんか。
▪放送概要
・関西発ラジオ深夜便 こころの時代「源氏物語にとりつかれて」
1998年12月12日、19日(NHKラジオ第1)
・ラジオ深夜便 人生“私”流「ワクワクしたい」
2008年12月13日(NHKラジオ第1) 聞き手 柴田祐規子
・ラジオ深夜便 こころの時代「悔いなく生きる」
2010年3月29日(NHKラジオ第1) 聞き手 明石勇
・ラジオ深夜便 新春対談「生きることは愛すること」
2019年1月1日、2日(NHKラジオ第1) 聞き手 山田亜樹
・高橋源一郎の飛ぶ教室「新春! 初夢スペシャル」
2021年1月1日(NHKラジオ第1)
▪著者紹介
瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)
1922年、徳島市生まれ。小説家、僧侶。東京女子大学卒業。57年『女子大生・曲愛玲』で新潮社同人雑誌賞、61年『田村俊子』で田村俊子賞、63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年に得度。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、2001年『場所』で野間文芸賞受賞。06年文化勲章受章。代表作に、現代語訳『源氏物語』(全10巻)のほか、『比叡』『釈迦』『秘花』『いのち』など多数。2021年11月9日逝去。
▪『百歳 いつまでも書いていたい 小説家・瀬戸内寂聴の生きかた』目次
はじめに
第一章 わたしと『源氏物語』 (瀬戸内寂聴76歳)
第二章 ケータイ小説からオペラまで (瀬戸内寂聴86歳)
第三章 「書くこと」は自分を発見すること (瀬戸内寂聴87歳)
第四章 [対談 伊藤比呂美]坊主よりも、わたしは小説家 (瀬戸内寂聴96歳)
第五章 [対談 高橋源一郎]「書くな」と言われても書くんですよ (瀬戸内寂聴98歳)
特別寄稿 瀬戸内さんの文学とわたし 高橋源一郎
瀬戸内寂聴 略年譜
▪商品情報
出版社:NHK出版
発売日:2022年3月10日
定価:968円(本体880円)
判型:新書判
ページ数:240ページ
ISBN:978-4-14-088672-4
URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4140886722