知の巨人・南方熊楠をとおして日本人の神道信仰の原点を探った意欲作が発売!

戸矢学・著『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』(方丈社)は11月22日に発売!

方丈社のプレスリリース

神社・神道の神体は突き詰めれば神籬(ヒモロギ)神奈備(カムナビ)イワクラ(磐座)→ 岩 つまり「大自然そのもの」である。熊野は熊野川、那智の瀧、神蔵山の巨岩など、ほぼその全域が神霊が招き寄せられるという「依り代」に満ち満ちている。海外遊学で当時の最先端の学問にひたり帰国した南方熊楠は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されるずっと以前に、神域の森や熊野古道の環境、人々の営みの中に、価値を見出していた。

熊野こそは日本古来の神道に直結する「奇跡の信仰地」であり、縄文の精霊信仰が図らずも命脈を保っている稀有な世界である。三十数年前、南方熊楠の旧宅を訪ね、不思議な生命力を感じた著者が、知の巨人・南方熊楠をとおして日本人の神道信仰の原点を探った意欲作が『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』です。2022年11月22日発売。全国の書店およびネット書店で好評発売中です。

【書籍概要】
『熊楠の神 熊野異界と海人族伝説』
著者:戸矢 学 
四六判並製 296頁
定価:1,800円+税
ISBN:978-4-910818-01-6
HP:https://hojosha.co.jp/menu/970799
Amazon:https://amzn.asia/d/2vKxyym

■著者 戸矢 学(とや・まなぶ)
1953年生まれ。埼玉県出身。歴史作家。
埼玉県立熊谷高等学校、國學院大學文学部神道学科卒業。
主な著書に、『縄文の神が息づく 一宮の秘密』『神々の子孫「新撰姓氏録」から解き明かす日本人の血脈』(以上、方丈社)、『スサノヲの正体 ヤマトに祟る荒ぶる神』『古事記はなぜ富士を記述しなかったのか 藤原氏の禁忌』『鬼とはなにか まつろわぬ民か、縄文の神か』『決定版 ヒルコ 棄てられた謎の神』『アマテラスの二つの墓 東西に封じられた最高神』『オオクニヌシ 出雲に封じられた神』『縄文の神 よみがえる精霊信仰』『増補新版 ニギハヤヒ 「先代旧事本紀」から探る物部氏の祖神』『神道入門』『郭璞 「風水」の誕生』『諏訪の神 封印された縄文の血祭り』『ツクヨミ-秘された神』『増補新版 ヒルコ 棄てられた謎の神』『神道と風水』『三種の神器 〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』『ニギハヤヒ 「先代旧事本紀」から探る物部氏の祖神』『ヒルコ 棄てられた謎の神』『怨霊の古代史』『氏神事典 あなたの神さま・あなたの神社』『天眼─光秀風水綺譚』『ツクヨミ-秘された神』(河出書房新社)、『カリスマのつくり方』『陰陽道とは何か』(以上、PHP研究所)『ニギハヤヒと「先代旧事本紀」 物部氏の祖神』『三種の神器 天皇の起源を求めて』(以上、河出文庫)、『東京ミステリー 縄文から現代までの謎解き1万年史』『深読み古事記 日本の神話と古代史が100倍おもしろくなる!』『富士山、2200年の秘密』(以上、かざひの文庫)、『日本風水』(木戸出版)『卑弥呼の墓』(AA出版)など多数。

熊楠にまつわる本は、これまですでに多種多様のものが流布している。そのような状況で、もし私に語るべき資格があるとするなら「神」ないしは「熊野信仰」という視点であろう。とりわけ「縄文由来の信仰」であり「森の信仰」であり「常世(とこよ)信仰」であるだろう。すなわちこれは日本古来の「惟神道(かんながらのみち)神道(しんとう)」に直結するものであって、熊楠と深い関わりがある。(中略)

私たちは熊楠に出会うことで熊野を発見し、縄文の精霊や、神道信仰の原点に立ち返ることができるかもしれない。熊野を繰り返し訪ねるうちに私の中によみがえってきたものは熊野との一体化である。日々の生活の中で喪失している「精霊たちとの共生」を、熊楠は熊野という異界で取り戻したのだ。熊野川や那智の瀧、神蔵山の巨岩は、どれほど昔からそこにあるのだろう。それぞれその姿やたたずまいが多少変化してはいても、有史以前からその場所に厳然と存在していたことは確かであろう。そのような思いを馳せることから、私たちも熊野に連なることができるかもしれない。(まえがきより一部要約)

■目次

第一章【血脈】熊楠(くまぐす)と海人族(あまぞく)
オオヒルメ伝説が暗示する聖なる血脈

熊楠の血脈(ルーツ)について
祭祀(さいし)氏族
熊楠、田辺に定住す。
海人族と神社信仰
熊野氏、紀氏の由来
熊野権現縁起

第二章【精霊】熊野の神
家都美御子(けつみみこ)の正体

熊野神の正体
まず、神林あり。
熊野の「ヒモロギ」
イワクラ信仰
本宮の神「ケツミコ」とは何者か
「社殿のない神社」に熊野の本質が
熊野の謎は「速玉神」に
空飛ぶイワクラが地球を変えた
イワクラの誕生
熊野は津波で「死の国」になった

第三章【異界】熊野と常世(とこよ)
死の国・補陀落へ

地の果て
熊野権現垂迹縁起(くまのごんげんすいじゃくえんぎ)
補陀落渡海(ふだらくとかい)
伊勢は常世(とこよ)、熊野は補陀落(ふだらく)
八咫烏(やたがらす)の真相
烏(からす)と神社の親和性

第四章【詛言(のろいごと)】熊楠(くまぐす)と言霊(ことだま)
熊野への黄泉がえり

「祟(たた)り」ということ
事挙(ことあ)げする熊楠
神々の呪詛
言霊信仰
「意見」は熊楠の呪詛
説教節は言霊の魔力か
「小栗判官(おぐりはんがん)(説教「をぐり」、著者による抄訳)
熊野に出現した蘇生の呪術

第五章【反転】熊楠と神
「さかさまの世と相成りたるに候」

熊楠の神道観
狂人か神か
鎮守の森と海人族
「カミ」の誕生
鎮守の森と自然崇拝
神名を唱えることは禁忌
俗信迷信への偏愛
「やりあて」から「霊魂」へ
神を探して熊野へ
終焉

酒神を偲ぶ――あとがきに代えて
参考文献

【本件に関するお問い合わせ先】
(株)方丈社 営業部 山村・田中
〒101-0051 東京都千代田区神保町1-32星野ビル2F
TEL:03-3518-2272(受付時間 10:00~17:00)
e-mail:yamamura@hojosha.co.jp / tanaka@hojosha.co.jp

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監修:全国寺社観光協会

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