2022年度下半期の活動報告と2023年度の主な予定について~浄土真宗本願寺派 築地本願寺からのお知らせ~

宗教法人 築地本願寺のプレスリリース

2022年度下半期(2022年9月~2023年3月)は築地本願寺でも初めて実施されるイベントが多く、にぎやかな一年となりました。新型コロナ感染症も少しずつ収束し、境内に参拝客の方々の姿も戻りつつあります。
ここに2022年度下半期の活動報告と2023年度上半期に予定されている主な行事などをご報告いたします。

▪お寺はどうあるべきか、「原点回帰」に取り組みたい

昨年8月に築地本願寺の宗務長に着任してから、早くも半年が過ぎました。私は長らく京都の浄土真宗本願寺派(教団)で仕事をしてきたため、「京都と東京の時間の流れがこんなにも違うものか」と実感しています。「東京は23時間で一日が終わるのじゃない?」とよく冗談を言うくらい、目まぐるしい日々を過ごしています。

東京では会議も多く、新型コロナ感染症対策のために致し方ないことですが、同じ院内にいてもオンライン形式も多くて、若い僧侶たちにとっては同僚との触れ合いが少ないのでは、と少し心配もしています。ただ、良くも悪くも京都は組織が大きいこともあり、ある程度トップダウンで仕事をしてきました。しかし、築地本願寺では職員全員で業務に取り組む、というスタイルであり、それはとても良いことだと思っています。

このニュースレターをお読みいただくとお分かりの通り、築地本願寺では毎年、新たなイベントや取り組みを受け入れて、実施しております。2022年度下半期では、その分野は「宇宙」から「パラ・パワーリフティング」まで、本当に幅広いものとなりました。特に、お寺の中でパラ・パワーリフティングの試合を行ったことは話題になり、記事にも取り上げて頂きました。

ここ数年、築地本願寺では人生の節目節目でお寺と関りを持てる機会を作ろうと、終活や婚活、スマホアプリ制作などの事業拡大も行っています。多数の方のお寺への来院タイミングが「葬儀」「法要・法事」ばかりになる中で、時代の流れに合わせて、新たな接点を持つこと自体はとても必要なことだと思っています。

しかし同時に、仏教や浄土真宗本願寺派の教えを皆様にもっとストレートに伝える活動もとても大切なことであります。「教えが伝わる」「僧侶を身近に感じてもらう」というお寺の原点に戻る活動が、今の築地本願寺には少し足りていないかもしれません。

本来、お寺というものは「人と人が触れあう場所」であり、築地本願寺はもっと「お寺らしさ」を感じさせるべきではないか、と私を含めた宗務室(事務の統括組織)では考えています。築地という伝統ある土地の中に長年位置している築地本願寺が、どのような「伝統文化」を残していくべきか、それが今後の課題となりそうです。

現在、職員の大半はスーツで業務をしていますが、日頃から法衣や作務衣を着用してもらおうと思って準備を進めています。参拝にいらした方々に「僧侶」であることがすぐわかり、気軽に声をかけていただくきっかけになるのではとの狙いです。

新型コロナ感染症拡大も少しずつ収束をみせ、海外からの観光客も徐々に日本に戻りつつある中で、皆様を笑顔で迎え入れて、温かい気持ちを感じて頂けるような、本来のお寺らしいお寺を目指して進んで参ります。2023年度も築地本願寺をどうぞよろしくお願いいたします。
築地本願寺 宗務長 中尾史峰(なかおしほう)

▪2022年度下半期(10月~3月)の活動報告

◆報恩講(ほうおんこう)~徐々に戻りつつある本来の形と新たな試み~

浄土真宗本願寺派の年間行事で最も大切にしている「報恩講」(宗祖親鸞聖人の御祥月法要)を11月11日から6日間に渡って無事にお勤めしました。まだ人数制限を設けての報恩講でしたが、期間中約9千人の方にご参拝いただき、徐々に感染症拡大前の規模に戻りつつあります。

本年は、15日の大逮夜法要から16日の満日中法要まで、3年ぶりにご門主様(京都本山西本願寺の住職で築地本願寺の住職にもあたる)にお越しいただいての勤修となりました。

また、感染症拡大をうけて本堂に参拝出来ない方に向けて始めた「ライブ配信」も様々な工夫を凝らしています。特にサブチャンネルで行っている「英語配信」は世界各地から視聴され「これまでは何を行っているのか分からず見ているだけであったが、英語テロップのお陰で内容を理解できて有難い」と好評をいただいています。これからもアップデートしていく予定ですので、どうぞご注目ください。

◆「お寺で宇宙?」~親子で楽しんでいただけるイベントを~

10月30日に「バーチャルツアー 宇宙旅行2022 in築地本願寺」を開催しました。本企画は国際宇宙ステーション「きぼう」の開発・運用を行う、有人宇宙システム株式会社とコラボし、次世代を担う子どもたち向けのイベントとして開催しました。

午前午後の2部制で各40名の募集でしたが、応募締切を待たず、すぐに定員に達しました。また参加したお子さまの保護者からは「普段体験できないことを築地本願寺で経験できて貴重なご縁でした」などの声が寄せられ、大好評のイベントとなりました。本イベントは今後も開催を検討していますので、ぜひご注目ください。

◆除夜・元旦行事 ~年末年始も築地本願寺で~

年末年始の恒例である除夜・元旦行事を本年も開催しました。事前抽選制の人数制限を設けてですが、3年ぶりに現地参加型の「除夜の鐘」が再開されました。事前抽選の倍率は約7倍となり、多くの方に再開を待ち望んでいただいていたことは大変有難い限りです。

毎年恒例の宗務長による直筆の「新年の書」は今年は「慶」となりました。京都本山の「慶讃(きょうさん)法要」に掛けて、そして皆さまにとって本年が「慶ばしい」1年になることを願いしたためられました。

なお、本山の「慶讃法要」については本レターの今後の予定にて紹介しておりますので、是非ご覧ください。

◆築地本願寺でパラ・パワーリフティング大会を開催
2023年1月29日(土)に「第23回全日本パラ・パワーリフティング国際招待選手権大会」が築地本願寺の第二伝道会館1階「蓮華殿」で開催されました。

築地本願寺で大会を開催した経緯としては、本派寺院の住職が本競技選手と親交があったこと、また大会を運営するパラ・パワーリフティング連盟の掲げる「宗教、人種、障がい、三つの壁を越える」という大会開催の理念や築地本願寺のSDGsの活動理念に一致したことなどがあり、「お寺×パワーリフティング」という異色の組み合わせが実現いたしました。

会場となった「蓮華殿」は普段は葬儀や法事の他に講演会などが行われる場所ですが、プロジェクションマッピングと志穂美悦子氏のフラワーアレンジメントで鮮やかに彩られ、選手たちの熱気と観客の声援であふれた会場は、普段の宗教行事などを行う姿とは全く異なる空間となりました。

本大会は多くのメディアにも取り上げていただき、その反響の大きさから改めて昨今のパラ競技の注目度の高さを再認識すると共に、「どなたでも気軽に立ち寄れる真の意味での “フラットなお寺” 」となるため院内のバリアフリー設備などの課題を再確認する機会となりました。

これからも築地本願寺はパラ競技の支援を続けてまいります。

▪2023年度上半期に予定している主な予定

◆8月上旬:築地本願寺納涼盆踊り大会

築地の夏の風物詩となっている納涼盆踊り大会は昨年、3年ぶりに開催となりました。しかし、来場者を1日2,700名、事前申込チケット制とさせていただき、踊りに参加する際もマスクの着用をお願いするなど、以前と同等の規模での開催は実現できませんでした。

本来は4日間で80,000人を超える参加者にお越しいただける盆踊りであり、昨年ご来院いただいた方、またYouTubeチャンネルで配信した際にも、本来の賑わいを求める声が多数ありました。

本年こそ、制限なく皆さまを受け入れられる開催となることを心から願っております。

開催概要については、決定次第築地本願寺HPなどで告知しますのでどうぞ楽しみにお待ちください。


◆4月9日(日)「はなまつり」開催 “みんなの笑顔かがやく1日”

築地本願寺の春の恒例行事といえば「はなまつり」です。特に白象を中心にたくさんの稚児や宗門校のマーチングバンド、そして僧侶が築地の町を練り歩く「稚児行列」は毎年稚児の事前予約がすぐに埋まってしまうほど人気です。

感染症拡大をうけて一時は規模を縮小していましたが、本年は先着で150名の稚児を募集しており、徐々に本来の姿に戻ってきています。

そして本年よりは本堂にて未生流(みしょうりゅう)笹岡家元による献華式及び華展の開催、また国際交流として仏教の発祥の国である「インド大使館」・仏教を準国教としている「スリランカ大使館」がそれぞれ特設ブースを設置し、古典舞踏や古典音楽を披露していただく予定となっています。

その他にも子供向けの各種体験コーナーや、築地の町の名店が境内に出店したりと、どなたでも楽しむことの出来るにぎやかな催事を企画しています。

新年度始まってすぐではありますが、ぜひ築地本願寺の「はなまつり」でお楽しみください。

詳細は築地本願寺公式HPへ

https://tsukijihongwanji.jp/news/7092/

「はなまつり」とは、お釈迦様のお誕生日(4月8日)をご縁に、仏様との出遇いを喜ぶ行事です。お釈迦様のお母様は、お釈迦様をお生みになる前に白い象が胎内へ入る様子を夢で見たといいます。また、お釈迦様ご生誕の際、空から甘露の雨が降りそそいだと伝えられており、これにちなんで「はなまつり」では花御堂の誕生仏(お釈迦様)に甘茶をそそいでお祝いします。

◆親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃法要について
本年は浄土真宗本願寺派の宗祖親鸞聖人がご誕生されて850年、その翌年2024年は親鸞聖人が浄土真宗を開かれた「立教開宗」から800年という節目の年をお迎えします。

築地本願寺の本山である京都・西本願寺では3月29日から親鸞聖人のお誕生日である5月21日まで、5期30日に渡り「親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要」がお勤めされています。

また築地本願寺でも本山の法要の翌年2024年を中心に法要や記念行事を予定しています(詳細な内容は未定)。50年前の親鸞聖人御誕生800年・立教開宗750年の節目の法要の際には、日本武道館を使用して行事を行ったとの記録も残っています。

本山の法要の詳細は浄土真宗本願寺派の公式ホームページをご確認いただき、築地本願寺の法要は続報をお待ちください。
【浄土真宗本願寺派ホームページ】https://www.hongwanji.or.jp/

▪築地本願寺 今後の予定

▪浄土真宗本願寺派 築地本願寺について

築地本願寺は、京都の本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院です。現在の本堂は1934年に落成。オリエンタルな雰囲気をもつ外観と、浄土真宗寺院の伝統的な造りの内観、さらにパイプオルガンやシャンデリア、ステンドグラスもあるユニークな礼拝施設です。本堂や正門などは2014年に国の重要文化財に指定されました。

“開かれたお寺”のスローガンのもと、誰もが入りやすく、親しめる場所を目指して、境内にカフェ・ショップなどが入ったインフォメーションセンターもあります。

新型コロナウイルス感染症拡大以降は、オンラインで法要をお受けしたり、YouTubeチャンネルに法話をのせるなど、非対面でも教えにふれられる機会を多数設けていますので、ぜひHPをご覧ください。

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監修:全国寺社観光協会

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