【寺社Now職人図鑑】国宝を写して後世に伝えるコロタイプ印刷!創業130年「便利堂」写真部・岩村 孝

【寺社Now18号(平成30年3月発行)】より  ※情報は掲載時のものです

100年先までつながる仕事を

ミュージアムの図録や絵はがきの制作で知られる便利堂の創業は130年前。国宝を中心に広く文化財の撮影とコロタイプ印刷を手掛けている。戦後、法隆寺の金堂壁画が焼失した後に復元できたのも、昭和10年(1935)に便利堂が撮影とコロタイプ印刷により複製をしていたおかげなのだ。
このたび完成した、約800年前から伝わる冷泉家文書の写真版複製本全100巻の撮影を、実に25年かけて手掛けてきたのが同社写真部の岩村孝さんである。

コロタイプ印刷とは
写真術が生まれて間もない19世紀中頃にフランスで発明された、ガラス板と顔料による写真プリント技法。優れた再現性、なめらかで深みのある質感、また顔料を使うことによる強い耐久性が特徴で、国宝などの文化財の複製制作に活用されている

巨大な「縦型原寸分解撮影カメラ」を扱う岩村孝さん。撮影には最低2人以上の手が必要となる

岩村さんは「私の撮影した写真がベースとなり、コロタイプ印刷を通して文化財の保存と普及がなされます。目にする機会も稀な国宝を撮影することが多いため慎重に、そして過度なくらい準備をします」と話す。撮影によっては現場に巨大な機材を持ち込んだり、正倉院のように白衣を着用するなどルールはさまざま。

「当然撮影には緊張を伴いますが、その写真が礎となり文化財の今の姿を後世に伝えることができる。それが仕事の原動力となっています」

カメラの裏側。原寸大で画像を確認しながらシャッターを押す

文化財の撮影にはカメラメーカーと共同開発した独自のカメラを使う場合が多い。このカメラは藤ノ木古墳の撮影時に用意したもの

冷泉家文書撮影の様子


株式会社便利堂
住所:京都府京都市中京区新町通竹屋町下ル弁財天町302
TEL:075-231-4351
HP


 

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