田中宮司がYouTube特別解説!國學院大學博物館「都の神 やしろとまつりー世界遺産 賀茂別雷神社の至宝ー」

特別展「都の神 やしろとまつりー世界遺産 賀茂別雷神社の至宝ー」(2022年3月26日まで)の会場・國學院大學博物館は、渋谷駅から徒歩10分ちょっと。國學院大學のキャンパス内にある。同館は、日本文化の講究に必要な文化財を収集保存し、学術的な研究成果を一般に公開するとともに、広く学内外の研究教育活動に資することを目的として設置された

賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)。

通称の上賀茂(かみがも)神社で親しまれている、京都で最も古い神社のひとつ。23万坪の広大な境内全域は、ユネスコの世界文化遺産に登録されている。

一の鳥居と二の鳥居の間に芝生の馬場が広がり、毎年5月5日に開催される伝統の行事、賀茂競馬の舞台となる。春には桜が咲き誇り、和歌でおなじみ「ならの小川」がさらさらと清らかに流れている。

もともとは賀茂氏の氏神として祀られ、平安遷都以降に〝都の神〟となり、朝廷をはじめ、多くの人々の信仰を集めてきた。京都三大祭の一つである5月15日の賀茂祭(葵祭)を筆頭に、年間数多くの祭祀や行事が催され、あらゆる災難を除く厄除けの神として篤く崇敬されてきた。

賀茂別雷神社では21年に1度の式年遷宮が行われているが、会場内のモニターで、非公開の式年遷宮を記録した映像(平成27年実施第42回)が今回限定で特別に流されている

本展「都の神 やしろとまつりー世界遺産 賀茂別雷神社の至宝ー」では、そんな〝都の神〟を祀る賀茂別雷神社の国宝本殿に納められていた御帳台(みちょうだい)をはじめとするさまざまな調度品や、獅子や狛犬、賀茂祭で天皇陛下の使いである勅使が奏上した御祭文のほか、重要文化財に指定されている古文書群の一部が、神社の外に初めて出陳。同社が戦国時代を生き残るために、源頼朝・秀吉・信長など武将たちと交渉したその記録ともいえる文書類も公開されている。

重要文化財「源頼朝下文写」 寿永3(1184)年 賀茂別雷神社文書。のちに鎌倉幕府を開創する源頼朝が、後白河法皇の命に従い、諸国の賀茂社領荘園に対する乱暴狼藉を禁じた文書。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にも掲載されており、当時の賀茂社領の規模と広がりを確認することができる貴重な史料【前期展示】

神宝類(手前は御飾太刀、その右は御角盥)江戸時代 賀茂別雷神社蔵。神社の祭神には、貴人と同様の調度品が用意され、古よりそれらは「神宝」と呼ばれてきた。神宝は式年遷宮の際に社殿とあわせて新調されることが多く、賀茂別雷神社でも式年遷宮時に祭神に供えられた【通期展示】

「御祭文(宣命)」明治18(1885)年 賀茂別雷神社蔵。神社に勅使らが到着すると、天皇からの捧げものである御幣帛を奉り、祭文を奏上する。御祭文は紅色の烏の子紙にしたためられる【通期展示】

真多呂人形学院作「真多呂人形」 現代 賀茂別雷神社蔵。賀茂祭で見られる斎王代の行列を真多呂人形で再現している。真多呂人形は賀茂別雷神社に仕えた高橋忠重なる人物が19世紀前半に創始した。木目仕込みの技法を現在に伝えている【通期展示】※会場内でこの真多呂人形のみ撮影可能

同神社とゆかりの深い國學院大學のミュージアムで開催されている特別展で、2600年にも及ぶ悠久の歴史を守り伝えてきた賀茂別雷神社の至宝に触れ、神縁を結び、そしていつの日か機会があれば、京都の上賀茂を訪れたい。

◆展示構成
第1章:創建の由緒
第2章:賀茂別雷神社
第3章:社殿と遷宮
第4章:賀茂祭

なお、國學院大學博物館がYouTube上で展開している「オンラインミュージアム」にて、賀茂別雷神社の田中安比呂宮司が展示内容を特別に解説しているので要チェックだ。

◆動画の構成
00:50 創建の由緒
05:04 立砂
06:00 都の神
07:04 式年遷宮
10:07 ご神宝
11:07 賀茂別雷神社文書
12:34 賀茂祭(葵祭)

開催概要

会場國學院大學博物館
東京都渋谷区東4丁目10番28号 〔國學院大學渋谷キャンパス内〕
03-5466-0359
会期2022年1月27日(木)〜3月26日(土)
休館日:毎週日・月・火曜日
開館時間水・木・金・土曜日の12:00~17:00(最終入館16:30)
入館料無料
公式サイトhttp://museum.kokugakuin.ac.jp/special_exhibition/detail/2022_kamo.html
公式動画https://www.youtube.com/watch?v=fn4fe9p9Cz4
展示図録販売http://museum.kokugakuin.ac.jp/publication/
主催賀茂別雷神社・國學院大學博物館
後援一般社団法人 葵プロジェクト
協力東京大学史料編纂所

 

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監修:全国寺社観光協会

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