神社は生きたタイムカプセル! 神社の広報を専門とする杜(もり)出版代表・青木 康さんの「紙」への思い。

神社の広報を専門とする出版社がある。その名も、杜(もり)出版。もちろん「鎮守の杜」の「杜」に由来する。東京・明治神宮の杜の北面に位置するオフィスに、代表の青木康さんを訪ねた。

杜出版株式会社代表:青木康:埼玉県さいたま市岩槻区産まれ。学習院大学法学部政治学科卒業後、近代出版社に入社。企画制作室長、編集長を歴任。平成24年、神社広報専門出版社・杜出版(株)を設立、100社以上の神社広報を担当するほか、靖國神社公式ガイドブック『靖國神社へようこそ』『遊就館図録』などを出版。主な編著書に『伊勢神宮のすべて』『日本の神様』などがある。弓道初段、合気道二段

外国語版制作の場合は、ただの直訳にならぬよう、外国人の神道学者に監修を依頼する

出版社から神社関連本の制作を依頼されることもあり、青木さんが企画や編集・執筆まで手がけることもある

インターネットの時代に、なぜ「紙」の仕事が中心なのか?!

「現代はさまざまな情報がインターネットから入手できますが、実感は伝わりません。私が伝えたいのは神社という心ですから、手に取って読んでもらい、その質感からも神社を感じてもらえる紙媒体を創っています」

「イベント開催などでただ来る人を増やすのではなく、来た人がきちんと参拝者になってもらいたい。そのための入り口にもなるような、伝わりやすい内容を心がけています」

杜出版のものづくりは「いかに参拝者を育てるか」を主題にしている。

「昨今のパワースポットブームで神社に多くの若者が「来る」ようになりました。しかし、しっかりと「参拝」している人がどれくらいいるでしょうか。残念ながら最近では「ブーム」の弊害を神社様から耳にすることが多くなりました。参拝者をただ増やすのではなく、参拝者一人ひとりの「質」を高めることが求められているのではないでしょうか」

家族と神社を結ぶツールとして、昇殿参拝や御神札のしおり、人生儀礼のこよみなども制作する

平成24年(2012)に会社を設立。折しも御朱印ブームや伊勢神宮の式年遷宮で、神社への興味が高まっていた時期で、仕事は順調だった。しかし前年の東日本大震災をきっかけに、「絆」を大事にする風潮が生じつつあった。

「神社は、祈りや人生儀礼を通じて絆を深める場所であり、都市部の貴重な自然である “鎮守の杜” を持ち、連綿と続く日本の伝統を次世代へ伝える “生きたタイムカプセル” です。東日本大震災により人々は、絆の尊さ、自然への畏れ、地域社会に根付いた伝統の大切さに気付かされました。今こそ神社は、〈絆〉〈自然〉〈伝統〉を育む場所として、これらの大切さを伝えていかなくてはならないと気付かされたのです」

そう気付いた青木さんは、神社と人を結ぶことを、事業の柱に据えた。
実際にリアルに手に取ってもらえる紙の印刷物が、神社と人を結ぶと信じて。


杜出版株式会社
住所:東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木402
TEL:03-6300-9011
HP:http://www.mori-book.com

【寺社Now21号(平成30年9月発行)】より
※情報は掲載時のものです

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