お寺や神社の伝統文化を未来へとつなげる活動を展開している一般社団法人全国寺社観光協会(本部事務局:大阪府大阪市、以下「協会」)は、東京藝術大学日本画研究室(以下「藝大」)の「『国宝 信貴山縁起絵巻』現状模写プロジェクト」を支援するクラウドファンディングを開始したことをお知らせします。
藝大では、これまでに『国宝 信貴山縁起絵巻』『国宝 伴大納言絵巻』の現状模写を手がけてきており、2028年度に予定されている今回の『国宝 信貴山縁起絵巻』の完成を待って日本三大国宝絵巻の現状模写プロジェクトが遂に完結することになります。
『国宝 信貴山縁起絵巻』は現時点で既に800年以上もの年月が経過しています。すべての形あるものは、劣化を最小限にとどめる細心の注意と措置をもってしても百年単位でみると経年変化を止めることは困難です。このクラウドファンディングは、日本の伝統文化を未来へとつなげていく当協会の活動の一環として、国宝絵巻の所有者である信貴山朝護孫子寺と連携して東京藝術大学の挑戦を応援するものです。ニッポンの至宝を千年先の未来へ!
■クラウドファンディングの概要
・クラウドファンディング・プラットフォーム: READYFOR
・プロジェクト名:超絶技巧!藝大現状模写で国宝『信貴山縁起絵巻』を千年の未来へ
・募集期間:2021年4月28日(水)~6月26日(土) 60日間
・目標金額:300万円
・プロジェクト形式:All or Nothing・購入型
・URL: https://readyfor.jp/projects/shigisan
・資金用途:東京藝術大学日本画研究室『国宝 信貴山縁起絵巻』現状模写プロジェクト」制作支援
・リターン例(一部):ポストカード、額入り絵巻絵、縮小絵巻、
複写作業見学会へのご招待、完成作品展示会へのご招待など囲み枠
■『国宝 信貴山縁起絵巻』とは
教科書でもおなじみの『国宝 信貴山縁起絵巻』は、平安時代に制作された作品で、所有している信貴山朝護孫子寺(奈良県生駒郡平群町)から奈良国立博物館(奈良県奈良市)に寄託されています。『国宝 源氏物語絵巻』『国宝 伴大納言絵巻』と併せて「日本三大絵巻」として知られている貴重な第一級の国宝です。
■現状模写とは
国宝絵巻の現状模写は、絵巻が作られた当時の色彩を徹底的に調査・分析し、当時と同じ絵具を用いて、剥落、褪色、変色、欠損、しわや汚れ、虫食い跡に至るまで、原本の現在の状態のすべてを、東京藝術大学で技術と感性を磨き抜いた人間の目と手を使って正確に写し取るものです。完成すれば、劣化防止のための厳しい公開制限のある原本の代わりとなって、より身近に国宝絵巻を知っていただけるようになります。特に『国宝 信貴山縁起絵巻』に関しては、技術の進化した近代以降に現状模写の作例は存在していません。日本の文化財保護にとって大変有意義な取り組みとなります。
■現状模写には多額の費用が必要です
『国宝 信貴山縁起絵巻』現状模写の制作にあたっては、平安時代と同じ天然絵具や特別な薄美濃紙が必要です。こうした材料費は非常に高価なため、費用のすべてを賄うことは困難です。また、現物確認や色合い調整などのために原本の確認も不可欠で、そのために絵巻が寄託されている奈良国立博物館へ通うことも必要となり、交通費の負担も大きなものとなります。
■一般社団法人全国寺社観光協会
「ひとりでも多くの方にお寺や神社へ足を運んでもらうために」を活動理念として、寺社向け情報誌『寺社Now』やWEBメディア『寺社Nowオンライン』による情報発信を軸に、宿坊創生プロジェクトや参道活性化プロジェクトの推進、日本最大の宿坊ポータルサイト「テラハク」や「そうだ お坊さんに相談しよう!オンライン僧侶クリニック」の監修などを行っています。また、ユネスコ統計局文化サテライト勘定技術諮問委員会(UIS CSA TAG MEETING)鎌倉・東京会議の開催や、観光庁「城泊・寺泊による歴史的資源の活用事業」の推進などにも協力をしています。今回のクラウドファンディングは、文化財の保護と活用を通じて、お寺や神社の伝統文化を未来へとつなげていく活動の一環として展開しています。
・公式ホームページ: https://jisya-kk.jp/
・Webメディア『寺社Nowオンライン』: https://jisya-now.com/