奈良国立博物館 特別展「聖地 南山城」にて展示・公開中 釈迦如来および両脇侍像(京都・常念寺蔵)の中尊から仏像など像内納入品を発見

会期/2023年9月3日(日)まで 会場/奈良国立博物館 東・西新館

奈良国立博物館「特別展 聖地 南山城」広報事務局のプレスリリース

奈良国立博物館では9月3日(日)まで、浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展「聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」を開催しております。

同展で展示・公開中の釈迦如来像および両脇侍像(京都・常念寺蔵)について、会期中にX線CTスキャン調査を行ったところ、中尊釈迦如来像の像内に仏像をはじめ複数の納入品があることが判明しました。

頭部に納入された複数の巻子状の品は、木材等を用いて後頭部に固定されています。また、体部にはさらに多くの品々が納められています。複数の巻子状の品のほかに小さな仏像を少なくとも6体確認することができ、像容からすると地蔵菩薩の可能性が高いと考えられています。このほか仏像の眉間に生えている白い毛・白毫(びゃくごう)の内部には、鉱物質のものを納めているように見受けられ、仏舎利になぞらえた品と推測されます。

これらについて、納入品の詳細や納入の思想的な背景については、展覧会終了後に引き続き調査を進めていく予定です。

釈迦如来像および両脇侍像とX線CTスキャンの写真は、特別展「聖地 南山城」にて公開しております。この機会にぜひご覧ください。

釈迦如来坐像(京都・常念寺蔵)

頭部

頭部

体部

体部に納められた地蔵菩薩と見られる小さな仏像(6体)

京都・常念寺 [木津川市]
釈迦如来坐像 木造 彩色・金泥塗・截金 室町時代(15~16世紀) 

常念寺に伝来した釈迦三尊像のうちの中尊。施無畏印・与願印を結び結跏趺坐する本像を中心に、それぞれ獅子・象に乗る文殊菩薩と普賢菩薩が脇侍をなす。3軀は目尻が切れ上がる両眼や鼻梁の太い鼻、厚い唇をもつやや面長の顔立ち、分厚い体軀が相通じ、一具同時の作とみられる。とりわけ目を引くのは、中尊の体部に密着する着衣と蛇行する衣文線、および両膝頭側面の旋転文であろう。前者は中国・宋代の仏画に同種の表現が認められ、これを写したものと捉えられるが、中国ではインド風を伝える要素と捉えられたことが指摘されており、本像では生ある釈迦の姿に近づこうとする意図をもって採用された可能性も想定される。

特別展「聖地 南山城」開催概要

和文名称浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念
特別展「聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」
英文名称Special Exhibition
Celebrating the Completion of Repairs to Jōruriji’s National Treasure Amida Statues   Numinous Minamiyamashiro
Treasures from the Mountains between Nara and Kyoto
会期2023年7月8日(土)~9月3日(日)
前期展示:7月8日(土)~8月6日(日)
後期展示:8月8日(火)~9月3日(日)
開館時間9:30~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日月曜日
会場奈良国立博物館 東・西新館
主催奈良国立博物館、日本経済新聞社、テレビ大阪
後援京都府、京都府教育委員会、木津川市、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、笠置町、精華町、南山城村、和束町
協賛JR東海、竹中工務店、NISSHA、福寿園
特別協力京都南山城古寺の会
協力京都山城地域振興社、日本香堂、仏教美術協会
公式サイトhttps://yamashiro-nara.exhn.jp/
公式X
(旧twitter)
@m_yamashiro2023

 

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監修:全国寺社観光協会

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