「勉強して行きたくなった」世界遺産ランキング2024年版 TOP50を大公開!

番外編として「卒業旅行で行きたい世界遺産」「大人の修学旅行で行きたい世界遺産」それぞれTOP30も紹介

特定非営利活動法人 世界遺産アカデミーのプレスリリース

世界遺産は勉強すると実際に行ってみたくなるもの。NPO法人世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局では、2023年11~12月「第54回検定」の受検者に、「勉強して行きたくなった」世界遺産のアンケートを取りました。その結果を大公開します!

上位には有名な遺産が並びますが、「ヴェネツィアとその潟」が過去の調査と比べて大きく順位を下げるなど、オーバーツーリズムや気候変動の問題が頻繁に報じられるようになった影響も感じられました。一方、第54回検定のメインビジュアルだった「アルベロベッロのトゥルッリ」が上位にランクインするなど、やはり知ること・勉強することは「行きたい」気持ちを呼び起こす重要なきっかけになっていると言えそうです。

後半では番外編として、「卒業旅行で行きたい」「大人の修学旅行で行きたい」世界遺産のランキングもご紹介しています。
※公式HPでは受検者のコメントも掲載しています。併せてご参照ください。

公式HPへ

勉強して行きたくなった世界遺産 TOP10

【1位】モン・サン・ミシェルとその湾
<フランス共和国|文化遺産>


他を引き離して1位となったのは今回もモン・サン・ミシェル!映画のモチーフとしても有名な美しい景観を直に見てみたいという意見が多く寄せられました。名物グルメも楽しみのひとつになっているようです。

【2位】屋久島
<日本国|自然遺産>


日本の自然遺産「屋久島」が2位にランクイン。こちらも前回から不動でした。日本で唯一、登録基準(ⅶ)が認められている点や「垂直分布」への興味を示すコメントが多く、勉強すると価値や魅力がいっそう感じられるようです。

【3位】イエローストーン国立公園
<アメリカ合衆国|自然遺産>


最初の世界遺産のうちの1件であるイエローストーン国立公園が3位に入りました。間欠泉などの景観美はもちろん、「ウィルダネス」(手つかずの自然)の概念を感じてみたいという意見も多く見られました。

【4位】マチュ・ピチュ
<ペルー共和国|複合遺産>


謎多きインカ帝国の空中都市、マチュ・ピチュも根強い人気です。かつての生活の痕跡が残る山上の遺跡が印象的ですが、手つかずの自然も評価されている複合遺産です。

【5位】姫路城
<日本国|文化遺産>


日本で初めての世界遺産の一つ、姫路城。2023年が登録30周年の節目で記念行事も多く開催され、ニュースで目にする機会も多くなりました。改めてその価値を感じてみたいという人が多かったようです。

【6位】ケルンの大聖堂
<ドイツ連邦共和国|文化遺産>


ドイツ有数の古都・ケルンでひときわ高くそびえる荘厳なゴシック聖堂。建物の大きさもさることながら、建築年月の長さも人々を驚かせています。そのスケールを肌で感じたいという意見が多く寄せられました。

【7位】アントニ・ガウディの作品群
<スペイン|文化遺産>


バルセロナに点在するガウディの建築群。1882年から建設が続くサグラダ・ファミリア贖罪聖堂の完成は、ガウディの没後100周年である2026年に予定されており、完成前の姿を見ておきたいという人が多いようです。

【8位】アルベロベッロのトゥルッリ
<イタリア共和国|文化遺産>


第54回検定のパンフレットやバナーなどでメインビジュアルに採用されたこともあってか、TOP10入りを果たしました。かわいい見た目や名前だけでなく、税金対策の逸話が印象的だったようです。

【9位】タージ・マハル
<インド|文化遺産>


白大理石で造られた左右対称の美しい霊廟。インドと言えばこの建物を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。建造に至るストーリーも人々を惹きつけています。

【10位】知床
<日本国|自然遺産>


北海道の雄大な自然を象徴する場所として、知床を挙げる方が多くいました。海と陸が結びついた食物連鎖と生態系は、勉強したからこそ興味が湧くポイントかもしれません。

 

勉強して行きたくなった世界遺産 1~50位の一覧

順位遺産名国名ポイント
1位モン・サン・ミシェルとその湾フランス共和国78.5
2位屋久島日本国58.2
3位イエローストーン国立公園アメリカ合衆国45.7
4位マチュ・ピチュペルー共和国43.8
5位姫路城日本国41.6
6位ケルンの大聖堂ドイツ連邦共和国37.5
7位アントニ・ガウディの作品群スペイン28.8
8位アルベロベッロのトゥルッリイタリア共和国25.5
9位タージ・マハルインド25.0
10位知床日本国24.3
11位ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまでエジプト・アラブ共和国19.8
12位小笠原諸島日本国18.3
13位平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-日本国18.0
14位グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区スペイン17.0
14位メンフィスのピラミッド地帯エジプト・アラブ共和国17.0
16位カナイマ国立公園ベネズエラ・ボリバル共和国16.1
17位イスタンブルの歴史地区トルコ共和国16.0
18位ヴェネツィアとその潟イタリア共和国15.0
18位厳島神社日本国15.0
18位フィレンツェの歴史地区イタリア共和国15.0
21位アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)ポーランド共和国14.6
22位グレート・バリア・リーフオーストラリア連邦14.3
23位広島平和記念碑(原爆ドーム)日本国13.5
23位白川郷・五箇山の合掌造り集落日本国13.5
23位白神山地日本国13.5
23位パリのセーヌ河岸フランス共和国13.5
27位ヴィエリチカとボフニャの王立岩塩坑ポーランド共和国13.2
28位文化交差路サマルカンドウズベキスタン共和国13.0
29位シーギリヤの古代都市スリランカ民主社会主義共和国12.8
29位メテオラの修道院群ギリシャ共和国12.8
31位シェーンブルン宮殿と庭園オーストリア共和国11.7
32位法隆寺地域の仏教建造物群日本国11.5
33位日光の社寺日本国10.5
34位富士山─信仰の対象と芸術の源泉日本国10.0
35位イスファハーンのイマーム広場イラン・イスラム共和国9.3
35位ヨセミテ国立公園アメリカ合衆国9.3
37位ドゥブロヴニクの旧市街クロアチア共和国9.0
38位ゴレ島セネガル共和国8.8
39位エルサレムの旧市街とその城壁群エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産)8.7
40位ヴェルサイユ宮殿と庭園フランス共和国8.5
41位「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群日本国8.3
41位ロス・グラシアレス国立公園アルゼンチン共和国8.3
43位ブラジリアブラジル連邦共和国8.2
44位ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区ベリーズ8.0
44位テ・ワヒポウナムニュージーランド8.0
46位チチェン・イツァの古代都市メキシコ合衆国7.7
47位ジャイアンツ・コーズウェイとその海岸英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)7.5
47位古都京都の文化財日本国7.5
49位ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂イタリア共和国及びヴァティカン市国7.1
50位ラリベラの岩の聖堂群エチオピア連邦民主共和国7.0

写真クレジット(上から):ggfoto/Adobe Stock、Akatsuking/Adobe Stock、Brad Pict/Adobe Stock、Anton Ivanov Photo/Adobe Stock、lkunl/Adobe Stock、Fokke Baarssen/Adobe Stock、135pixels/Adobe Stock、reisetopia/Unsplash、Shamees Cm/Unsplash、photoAC

【番外編1】卒業旅行で行きたい世界遺産 TOP30

こちらのアンケートは学生を対象に実施。「勉強して行きたくなった」と共通している遺産もあれば、卒業旅行ならではといえる遺産もランクインしています。TOP10を比較して、「勉強して行きたくなった」にはなかった遺産を見てみましょう。卒業旅行ということで「みんなで楽しめそう」なイメージが湧く遺産かどうかがポイントになっていそうです。

【2位】パリのセーヌ河岸
<フランス共和国|文化遺産>


知名度の高い遺産ですが、「勉強して行きたくなった」では意外にもTOP20外。一方、こちらのランキングでは2位の人気を集めました。歴史と文化が薫る美しい街並は、やはり学生にとって憧れの的のようです。

【3位】古都京都の文化財
<日本国|文化遺産>


中学・高校生の修学旅行では京都は定番ですが、当時はあまり楽しめなかったという声も…。大人になって知識がついた状態で改めて行ってみたいという声が多く寄せられました。

【6位】ヴェネツィアとその潟
<イタリア共和国|文化遺産>


ヨーロッパ屈指の観光地であるヴェネツィアはパリと同様、卒業旅行では上位にランクイン。さまざまな課題が報じられているため、行けるうちに行きたいという思いもあるようです。

【7位】厳島神社
<日本国|文化遺産>

2023年のG7広島サミットでも注目された厳島神社。海上の鳥居と社殿を一度は見てみたいという意見が集まりました。宮島では訪問税の徴収が始まりましたが、2023年の観光客数が過去最多に迫るなど人気は健在です。

【10位】ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂
<イタリア共和国及びヴァティカン市国|文化遺産>


ここでもヨーロッパの人気観光地がランクイン。特に「永遠の都」の異名をとるローマは古代遺跡が多く残ることもあって、歴史を学んで行ってみたくなったという人も多いようです。

 

卒業旅行で行きたい世界遺産 1~30位の一覧

順位遺産名国名ポイント
1位モン・サン・ミシェルとその湾フランス共和国33.0
2位パリのセーヌ河岸フランス共和国24.0
3位アントニ・ガウディの作品群スペイン23.0
3位古都京都の文化財日本国23.0
5位屋久島日本国22.3
6位ヴェネツィアとその潟イタリア共和国18.0
7位厳島神社日本国16.0
7位イエローストーン国立公園アメリカ合衆国16.0
9位知床日本国14.0
10位ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂イタリア共和国及びヴァティカン市国13.0
11位姫路城日本国11.0
12位ヴェルサイユ宮殿と庭園フランス共和国9.0
12位グランド・キャニオン国立公園アメリカ合衆国9.0
14位平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-日本国7.0
14位日光の社寺日本国7.0
14位マチュ・ピチュペルー共和国7.0
14位ケルンの大聖堂ドイツ連邦共和国7.0
14位法隆寺地域の仏教建造物群日本国7.0
19位小笠原諸島日本国6.3
20位白川郷・五箇山の合掌造り集落日本国6.0
20位自由の女神像アメリカ合衆国6.0
20位ヴァティカン市国ヴァティカン市国6.0
20位富士山─信仰の対象と芸術の源泉日本国6.0
20位ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献フランス共和国、ベルギー王国、スイス連邦、インド、アルゼンチン共和国、ドイツ連邦共和国、日本国6.0
25位奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島日本国5.3
26位メンフィスのピラミッド地帯エジプト・アラブ共和国5.0
26位フィレンツェの歴史地区イタリア共和国5.0
26位グレート・バリア・リーフオーストラリア連邦5.0
26位シェーンブルン宮殿と庭園オーストリア共和国5.0
30位広島平和記念碑(原爆ドーム)日本国4.0
30位ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター・アビーとセント・マーガレット教会英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)4.0
30位カナイマ国立公園ベネズエラ・ボリバル共和国4.0
30位琉球王国のグスク及び関連遺産群日本国4.0

写真クレジット(上から):rh2010/Adobe Stock、Richie Chan/Adobe Stock、orpheus26/Adobe Stock、pen_ash/Pixabay、Picturellarious/Adobe Stock

【番外編2】大人の修学旅行で行きたい世界遺産 TOP30

こちらのアンケートは学生以外の大人の方を対象に実施しました。上位の顔ぶれは「勉強して行きたくなった」もしくは「卒業旅行で行きたい」と似ていますが、「負の遺産」がランクインしている点は大人ならではといえるかもしれません。TOP10を比較して、まだ登場していない遺産を見てみましょう。

【2位】アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)
<ポーランド共和国|文化遺産>


ナチスによる虐殺の歴史を伝える負の遺産です。実際に現場を訪れることで、知識以上の実感を得て教訓としたい、という意見が数多く寄せられ、2位にランクインしました。

【8位】メンフィスのピラミッド地帯
<エジプト・アラブ共和国|文化遺産>


古代エジプト文明の象徴的存在がここでようやく登場。テレビのドキュメンタリーやクイズ番組で紹介されることも多く、大人の知的好奇心をくすぐる遺産といえるかもしれません。

大人の修学旅行で行きたい世界遺産 1~30位の一覧

順位遺産名国名ポイント
1位マチュ・ピチュペルー共和国34.2
2位アウシュヴィッツ・ビルケナウ:ナチス・ドイツの強制絶滅収容所(1940-1945)ポーランド共和国28.7
3位屋久島日本国26.5
4位古都京都の文化財日本国25.5
5位モン・サン・ミシェルとその湾フランス共和国25.0
6位アントニ・ガウディの作品群スペイン22.0
7位ヴェネツィアとその潟イタリア共和国20.5
8位メンフィスのピラミッド地帯エジプト・アラブ共和国19.5
8位パリのセーヌ河岸フランス共和国19.5
10位ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂イタリア共和国及びヴァティカン市国18.5
11位平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-日本国16.6
12位イエローストーン国立公園アメリカ合衆国14.5
12位紀伊山地の霊場と参詣道日本国14.5
14位タージ・マハルインド12.5
15位イスタンブルの歴史地区トルコ共和国12.0
16位日光の社寺日本国11.8
17位知床日本国11.0
17位小笠原諸島日本国11.0
19位グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区スペイン10.8
20位エルサレムの旧市街とその城壁群エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産)10.7
21位姫路城日本国10.0
21位フィレンツェの歴史地区イタリア共和国10.0
23位古都奈良の文化財日本国9.7
24位厳島神社日本国9.3
25位ケルンの大聖堂ドイツ連邦共和国9.0
25位長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産日本国9.0
27位ヌビアの遺跡群:アブ・シンベルからフィラエまでエジプト・アラブ共和国8.5
27位文化交差路サマルカンドウズベキスタン共和国8.5
29位ヴァティカン市国ヴァティカン市国8.3
30位シングヴェトリル国立公園アイスランド共和国8.0
30位グレート・バリア・リーフオーストラリア連邦8.0

写真クレジット(上から):PiotrZakrzewski/Pixabay、Parilov/Adobe Stock

調査概要

調査目的本調査(アンケート)は、世界遺産学習が世界遺産に対する関心をどのように広げるのかを明らかにすると共に、世界遺産検定受検者が興味・関心をもつ世界遺産を調査することで、検定教材や制作物、プロモーションの質を向上させ、今後の受検者満足度を高めていくことを目的としている。
調査対象2023年11~12月に実施した「第54回世界遺産検定」の受検者
有効回答数●勉強して行きたくなった世界遺産
1,422名
●卒業旅行で行きたい世界遺産
461名
●大人の修学旅行で行きたい世界遺産
862名
調査方法インターネット
集計方法回答者1人当たりの持ちポイントを1ポイントとし、【1ポイント÷回答遺産数】で算出。
調査期間2023年12月11日~2024年1月7日

【引用・転載時の出典表記のお願い】
本リリースの内容を引用・転載いただく際は、出典の表記をお願いいたします。
<例>「出典:世界遺産検定」「世界遺産検定事務局の調査によると…」
世界遺産検定
世界遺産検定
ユネスコの理念を知り世界遺産活動の輪を広げることを目的に、特定非営利活動法人 世界遺産アカデミーが主催する文部科学省後援の検定。2006年の第1回検定以来、35万⼈以上が受検、20万⼈以上が認定されている。現在、年間の受検者数は約3万⼈。年4回、全国の主要都市で開催しており、4級、3級、2級、1級、最上級のマイスターのほか、2024年7月第56回検定からは準1級も新設されて全6級構成となる。20代を中⼼に⼦どもからシニアまで幅広い受検者を集め、メディアからの注⽬も⾼い。⼤学等⼊試優遇や学校での授業にも組み込まれている他、世界遺産に関連する施設・催事などでの認定者向けの優待特典もある。受検者からは「世界遺産を勉強したら、旅がもっと楽しくなった」との声も多く、趣味・教養を深める検定としても⼈気を博している。
【世界遺産検定公式HP】https://www.sekaken.jp/
NPO法人 世界遺産アカデミー
NPO法人 世界遺産アカデミー
ユネスコの理念を広め、多文化理解を進めることで、世界遺産の保全活動の輪を広げ、社会に貢献することを目的に設立。2006年より、世界遺産条約の理念や世界遺産の価値を学ぶ「世界遺産検定」を開催。受検料の一部はユネスコの信託基金「世界遺産基金」に寄付され、世界遺産の保護・保全に役立てている。
【世界遺産アカデミー公式HP】https://wha.or.jp/

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監修:全国寺社観光協会

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