「表参道」の空き家を地域ぐるみで活用
そうした折りに、表参道で営業していた茶店が営業を断念、神社に寄進されることとなった。神社の神域に入るすぐ目の前、表参道の一等地で20年ものあいだ空き家になっていた物件だ。
白山比咩神社では、この場所と建物を、何とかして活かす方法はないかとその活用案を募ることにした。すると、地域の事業者10社が名乗りを上げた。思いは一緒だった。「表参道を何とかしたい!」
最終的に、地域ぐるみの事業共同組合として、新たに休憩所も兼ねた「いっぷく処 おはぎ屋」を開業することになった。土地柄、米も水も、とびっきり美味い。おはぎはおはぎでも、表参道のおはぎは違う、と言わせるだけのおはぎを生み出し、評判が評判を生んでいる。
「白山比咩神社のためなら一肌脱ぐ、その思いを持った人たちで頑張っています」(事業協同組合の村上治雄さん)
「神社は以前から、地域の皆さんのために何ができるかを考えてきました。建物の提供もそのひとつで、地元の方々の声をとてもうれしく感じています」(白山比咩神社 権禰宜・田中天善さん)