日本政府観光局(JNTO)が「2022年度の主な取組」を策定した。COVID-19の感染状況や出入国規制の動向、旅行者の意識の変化などを踏まえて、機動的なプロモーションを実施していくという。インバウンドの回復に向けて重点的に推進していく取り組みは、以下の6点となる。
1.出入国規制の動向等を踏まえた機動的なプロモーションの実施
2.旅⾏消費額増に資する⾼付加価値旅⾏の推進
3.地方誘客に資するサステナブル・ツーリズム、アドベンチャートラベルの推進
4.国内外メディアとの連携強化による訪⽇旅⾏の魅⼒の発信
5.地方誘客促進に向けた国内インバウンド関係者(賛助団体・会員・その他)との関係強化
6.MICE国際団体と連携した国際会議の誘致強化
特に注目の「2.⾼付加価値旅⾏の推進」については、観光を通じた経済活性化の観点から、旅⾏消費額増に資する⾼付加価値旅⾏を推進していくことになる。
なお、城泊・寺泊を後押ししてきた観光庁ではすでに、城泊・寺泊を含む「歴史的資源を活用した観光まちづくり事業(高付加価値化及び経済・社会波及効果拡大に向けたモデル創出)」の推進を表明しており、JNTOの今回の発表によって、時代の潮流としてより鮮明に〝高付加価値化〟が焦点となっていくことが読み取れる。
ちなみに富裕層(ラグジュアリー)をターゲットとする「高付加価値旅⾏」は、英語のラグジュアリー・トラベル(Luxury Travel)に相当する用語として造語されたようだ。海外のある調査では、富裕層が旅先を選択するにあたって、自然やアウトドア、さらにはサステナビリティ(持続可能性)や環境問題への配慮を重視する傾向があることがわかっている。いわゆる〝コンテンツの磨き上げ〟によって〝高付加価値化〟された旅行が、はたして富裕層にどのように刺さるのかといった点に関しては、より精度の高い検討と情報の共有が望まれる。
■日本政府観光局(JNTO)「2022年度の主な取組」PDF