▪国宝約30件&重文約50件
▪神護寺 国宝「高雄曼荼羅」修理後初公開!
▪空海が描いた密教の「マンダラ世界」を立体で展開&体感!
▪密教を伝えた海と陸のシルクロード!
10月2日、読売新聞東京本社にて、2024年春に開幕する奈良国立博物館の特別展「空海 KUKAI — 密教のルーツとマンダラ世界」に関する記者発表会が行われた。
発表によると本展は、空海生誕1250年を記念して「奈良博が総力を挙げて」開催するもので、空海が日本にもたらした密教の全貌を解き明かすことを目的とする。密教の「マンダラ空間」を奈良博の展示室に3次元で立体的に展開もするという。
【会期:2024年4月13日(土)〜6月9日(日)】
なかでも注目は、国宝《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》の修理後初公開である。
高雄曼荼羅は、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の2幅からなり、いずれも約4メートル四方の大きさを誇る。平安時代、淳和天皇の発願のもと空海が制作に関わったとされる現存する最古の曼荼羅で、京都の神護寺が所蔵している。
そのほか京都・教王護国寺(東寺)や和歌山・金剛峯寺、香川・善通寺ほか各所から出陳される国宝約30件、重要文化財約50件を含むさまざまな宝物により、空海と真言密教の魅力が紹介される。
▼展示構成
第1章 密教とは:空海の描いた世界
第2章 密教の源流:陸と海のシルクロード
第3章 空海入唐と恵果との出会い:胎蔵界と金剛界の融合
第4章 空海の帰国 神護寺と東寺:密教流布と護国
第5章 金剛峯寺と弘法大師信仰
記者会見にあたって井上館長は、奈良博のあらゆる専門家が総力を挙げて取り組む「かつてない空海展になる」と力強く宣言すると共に、混沌とした現代社会に平和を希求した空海の思いを届けたい、体感してほしいという願いも語った。
学術協力にあたった高野山大学の松長副学長は、「空海が描いた2次元のマンダラ世界を、奈良博の空間に3次元で再現する!初めてのチャレンジ」と、本展が意欲的なチャレンジであることを明かした。
斎木列品室長は、そもそも空海が伝えた〈密教〉とは何か、これまでの空海展などでは扱われてこなかった〈密教の実像〉を明らかにしたいと意気込みを語った。特に第1章では、博物館という空間の中に、国宝や重文など密教の尊像を配置して、空海のマンダラ世界を再現するという。
期待しかない。
▼主な展示作品
■国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅) 2幅 京都・神護寺
■国宝 両界曼荼羅(西院曼荼羅<伝真言院曼荼羅>) 2幅 京都・教王護国寺(東寺)
■重文 両界曼荼羅(血曼荼羅) 2幅 和歌山・金剛峯寺
■国宝 五智如来坐像 5軀 京都・安祥寺
■重文 大日如来坐像(西塔安置) 1軀 和歌山・金剛峯寺
■国宝 諸尊仏龕 1基 和歌山・金剛峯寺
■国宝 金銅密教法具 1具 京都・教王護国寺(東寺)
■国宝 錫杖頭 1柄 香川・善通寺
■国宝 聾瞽指帰 下巻 1巻 和歌山・金剛峯寺
■国宝 灌頂歴名 1巻 京都・神護寺
■国宝 金剛般若経開題 1巻 奈良国立博物館
開催概要
展覧会名:生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI ― 密教のルーツとマンダラ世界」
会 期:2024年4月13日(土)~6月9日(日)
会 場:奈良国立博物館 東西新館
主 催:奈良国立博物館、NHK奈良放送局、NHKエンタープライズ近畿、読売新聞社 学術協力:高野山大学
協 力:日本香堂、仏教美術協会
協 賛:NISSHA、築野グループ
問い合わせ:050-5542-8600(ハローダイヤル)
特別展URL:https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/special_exhibition/202404_kukai/