はじめまして。西山十海(大泰寺 住職)です。縁あって、南紀屈指の古刹(こさつ)・大泰寺(だいたいじ)の住職を拝命しました。大泰寺は、熊野古道沿いに立つ、開創1200年、比叡山の開祖 最澄により開かれたすばらしいお寺です。重要文化財の薬師如来をはじめ、平安、鎌倉、室町、江戸と各時代の仏像がそろい、かつての繁栄を彷彿とさせます。また、柿本人麻呂や西行法師の歌も残っており、ここが熊野古道の要衝であったことも伺い知れます。
しかし、そんな仏像の多くも時間とともに修復が必要なものは増え、今では30尊近くある仏像も20尊は、塗装が剥落し、持ち物の法具が失われたり、腕がはずれていたり、皆様にお見せできる状態ではなくなってしまいました。可能な限り修復を進めて参りましたがそれ以外にもお寺の整備で必要なものも多いため、追いついていない状態です。
歴史的にも価値のある仏像ですが、それ以上に皆さんにお披露目することでその意味は出てくると考えています。全ての仏像の修復には1500万円以上かかりますが、今回はまず不動明王像の修復を取り掛かりたいと考えています。皆様のご支援何卒よろしくお願いいたします。