今を生きる!日本仏教の恩人、鑑真和上が伝えた「戒律」を通じて変革の時代の気概を知る【京都国立博物館『特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ』】

凝然国師没後七百年 特別展『鑑真和上と戒律のあゆみ』

京都国立博物館『特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ』が話題となっている。国宝・鑑真和上坐像が唐招提寺の外で公開されるのは12年ぶり、さらに京都での公開となると昭和51年の『日本国宝展』以来、実に45年ぶりの一大事である。

唐招提寺を開いて活動の拠点とした鑑真以来、日本では社会が大きな変革期を迎えるたびに、その時代の名僧たちによって「戒律」(仏教徒が守るべき倫理道徳や社会のルール)が問い直されてきた。今回の特別展は、宗派を超えた名宝を鑑賞することができるのもさることながら、鑑真和上の時代から近代に至るまでの「戒律」の歩みをたどることで、時代に立ち向かい、変化に対応しようとした名僧たちの気概を知ることができる絶好の機会といえる。 

国宝「鑑真和上坐像」12年ぶりに寺外へ(京都新聞アート&イベント情報サイト[ことしるべ])※画像クリックで再生

寺社Nowは、この4月に鑑真を開祖とする律宗の管長ならびに唐招提寺八十九世長老に就任した岡本元興師から、特別展に託すコメントをいただいた。

現代へつながる、鑑真和上の思い

令和3年(2021)4月より唐招提寺八十九世長老に就任した岡本元興師

「鑑真和上は仏法を伝えるため、12年の歳月と5度の挫折を乗り越え、身命を尽くしたその辛苦の結果、視力を失いながらも来日し、戒律を広めるために尽力しました。
天平勝宝六年(754)に鑑真和上が来朝すると、南都・東大寺、下野・薬師寺、大宰府・観世音寺に戒壇(僧侶が「戒律」を受ける受戒専用の施設)が築かれ、公的に僧侶になる者は、必ず戒壇で受戒するようになりました。今日、各御宗派で宗祖と仰がれる高僧方も、ほぼ例外なくこれらの戒壇で受戒されています。
また、宗祖方の著作には必ず「戒律」に関する言及があり、独自の戒律解釈が展開されています。そこで主張される内容は千差万別ですが、戒律を守るという修行を、仏道修行における重要な問題として捉えていることに違いはありません。それほどまでに、鑑真和上が日本に伝えた「戒律」は、その後も数々の宗教者により守られ、現代に至るまで大切なものであり続けていると思います。

現代は、人の移動や情報の伝達技術の革新が進み、世界が身近になり、大変便利な世の中になりました。しかしながら、どんなことでも、その先駆けとなられた方々の志の尊さ無くして、今日はないと思います。来館される方々には、鑑真和上の仏教伝承に捧げられた生涯はもちろんのこと、その心を受け継いだ各時代の名僧の熱意に触れていただく機会になればと思います。
そして、迷ったり悩んだりしたとき、立ち止まり自分を見つめ直したいと思うときに、仏教にはそれをお手伝いする知恵と、歴史の中で培われてきた経験があることも、感じていただければと思います。
特別展とあわせて、ぜひ、唐招提寺も訪れてみてください。四季それぞれの花に囲まれ、さまざまな仏様にお出会いすることのできるこの天平の伽藍は、皆様がご自分と向き合われるための、大切な場所となることと思います」

会場:京都国立博物館 平成知新館
会期:2021年3月27日(土)〜5月16日(日)
休館日:月曜(5月3日祝日は開館)、5月6日(木)
主催:京都国立博物館/律宗総本山 唐招提寺/日本経済新聞社/京都新聞/NHK京都放送局
特別協力:華厳宗大本山 東大寺/真言宗泉涌寺派総本山 御寺 泉涌寺/真言律宗総本山 西大寺
HP:https://ganjin2021.jp/

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