4:国宝「唐獅子図屏風」(桃山時代)
桃山時代を代表する狩野永徳(かのう えいとく)の大作
前期展示①
右隻は、右端下部の狩野探幽(たんゆう)による極書(きわめがき)によって、桃山画壇の巨匠・狩野永徳の数少ない確証的な作品として名高い。左隻は、後に狩野常信が右隻の図様にあわせて制作したもので、今日に一双として伝わる。明治21(1888)年に、長州藩最後の藩主で公爵の毛利元徳より献上。
5:国宝「動植綵絵」(江戸時代)
江戸時代中期の絵師・伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)の代表作
後期展示①
〝日本の花鳥画の到達点〟とも言われる、若冲の代表作「動植綵絵」(全30幅)は、現在も京都・相国寺(しょうこくじ)に伝わる若冲筆「釈迦三尊像」を荘厳するために描かれた。若冲は、さまざまなな植物・鳥・昆虫・魚貝などの生き物の生命感を、いかに瑞々しく描写するかにこだわった。明治22年(1889)、廃仏毀釈のあおりを受けて困窮した相国寺が皇室へ献上し、現在宮内庁が所蔵。相国寺はこの時に下賜されたお金で寺域を買い戻し、現在に至る。
※本展では「動植綵絵」全30幅のうち、10幅(芍薬群蝶図、梅花小禽図、向日葵雄鶏図、紫陽花双鶏図、老松白鶏図、芦鵞図、蓮池遊魚図、桃花小禽図、池辺群虫図、芦雁図)をまとめて鑑賞することができる。
▪宮内庁三の丸尚蔵館
東京都千代田区千代田の皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館(さんのまる・しょうぞうかん)は、宮内庁が所管する博物館施設。天皇陛下(現在の上皇陛下)と皇太后陛下(香淳皇后)が、昭和天皇の遺品を国にご寄贈されたことを契機として、1993年に開館。皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品類に加え、旧秩父宮家のご遺贈品、香淳皇后のご遺品、旧高松宮家のご遺贈品、三笠宮家のご寄贈品が加わり、現在約9,800点の美術品類を収蔵している。
なお、三の丸尚蔵館は現在、新施設への移行準備のため休館中となっており、新施設の開館は令和5年(2023)秋が予定されている。
▪東京藝術大学大学美術館
東京藝術大学大学美術館は、東京都台東区上野公園に所在する東京藝術大学美術学部構内にある美術館。明治期に日本美術復興運動に取り組んだ岡倉天心やアーネスト・フェノロサらの尽力によって1887年に設立された東京美術学校(東京藝術大学の前身)以来の、美術教育に資する「参考品」として収集されたコレクションを基盤としている。現在の収蔵品は3万件余りに達し、資料の収集・研究・保存・公開といった美術館の基本的な活動に加えて、制作と教育研究の現場である芸術大学という特質を合わせた、実験的な美術館として機能することを基本理念としている。
〈問い合わせ〉
▪東京藝術大学大学美術館
特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」
ハローダイヤル 050-5541-8600
▪展覧会公式ホームページ
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tamatebako2022/
2