三重県屋根工事業組合連合会と同青年部は、平成31年3月25日(月)三重県多気郡多気町の近長谷寺(きんちょうこくじ)(本堂は県指定有形文化財、十一面観音立像は国指定重要文化財)において、屋根の清掃ボランティアと点検・調査を行いました。一昨年、伊勢市の「旧賓日館」、昨年は桑名市の「六華宛」に引き続き、県内の文化財では3回目の活動になります。
近長谷寺 清掃ボランティア(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=SKvL33qNLDw
■歴史的建造物の清掃・点検・調査を通した“瓦文化の継承”
日本の屋根と言えば「瓦」。それが近年、和風建築の減少に伴い、特に「和瓦」はその施工技術までもが継承困難な時代になってきました。このままでは世界に誇る日本文化のひとつが失われてしまいます。そこで同寺のような歴史的建造物の屋根清掃と瓦屋根点検・調査を行い、文化財の保全・活用に貢献し、我々瓦業界は若手技術者の育成、また瓦文化を守る「志」ある人材の募集も兼ねた催しです。
同寺関係者の方々は高齢化が進み高所作業は難しく、このままでは屋根の堆積物が原因で雨漏りなどを引き起こす状態でした。そんな中、過去に実績のある当連合会へ、三重県教育委員会からの依頼で実現したイベントです。
■ボランティア当日の様子
当日は、会員25名と地元関係者の方々10名程と共に協力し合って、和気あいあいとした雰囲気の中、屋根に溜まった落ち葉などを取り除きました。点検・調査では、ドローンを使用して空から建物全体の様子を把握するため空撮を行いました。
「久しぶりに屋根がきれいになって、観音様もさぞかしお喜びでしょう!ありがとう。」とは地元の方の声。
「地域の方々のお寺に対する想い入れに感銘を受けました。お役に立てて光栄です。たいへん勉強になりました。」と、互いに称えあい、無事に事故なく終えることができました。
県教育委員会からも「維持管理が難しく、困っている所がたくさんあります。このような素晴らしい活動をしてくださり有り難く思います。」とのお言葉を頂戴致しました。
今後も、普段から厳しい環境で仕事をしている「屋根職人」のスキルを活かした社会貢献活動に努めてまいります。
また、全国組織である一般社団法人 全日本瓦工事業連盟 青年部は、本年8月8日(屋根の日)に、全国一斉清掃ボランティア活動を行う予定です。
■三重県屋根工事業組合連合会 概要
所在地: 〒516-0003 三重県伊勢市下野町654-163
会長 : 下林 敏志(しもばやし さとし)
所属 : 一般社団法人 全日本瓦工事業連盟
http://www.yane.or.jp/