芥川城跡の国史跡指定を祝して100年ぶりに途絶えた神事を復元

室町時代から高槻市服部地区の神社に伝わる「棒振り神事」を復活させ神輿や武者行列とともに披露

高槻市のプレスリリース

高槻市宮之川原元町にある神服神社(5世紀中頃創建)の例大祭が催される5月5日(祝)、芥川城跡が国史跡に指定されたことを記念して、約100年前から途絶えている祭礼の「棒振り神事」を復活させる。
地元の芥川高校和太鼓部が協力し、神輿に祭神が神降される際の合図となる大太鼓の打ち方も古式に則って披露し、神輿行列の槍、鉾、薙刀が加わるなど伝統の神事を復元する。後尾には協賛する「三好芥川城の会」による戦国大名・三好長慶率いる武者行列がつづき地域を練り歩く。


同神社では日中戦争など時勢の影響を受けて、約100年前にそれまで大行列で行われていた神事が断絶。戦後、太鼓と神輿かきだけに簡略化されて復活するも、昭和40年代に神輿かきの後継者がなく再び途絶えてしまう。平成20年に神輿を修復したのを機に地域おこしとして神輿かきが復活するが、大行列の構成や棒振り神事の様式などはすべて忘れ去られてきたという。

令和5年1月、地元の歴史研究家・古藤幸雄さん(83歳)が残された古文書から当時の詳細を紐解き、芥川高校和太鼓部の名誉顧問・山下勉さん(73歳)とともに神事を復活させた。きっかけは、令和4年11月に同地域の芥川城跡が国史跡に指定されたこと。同城は、戦国時代の実力者、三好長慶が城主であったことで知られる。古藤さんは史跡化を働きかける実行委員会の代表として長らく活動してきており、この吉報が神事復活への後押しとなった。

古藤さんによれば、棒振り神事は、洛中洛外図屏風や祇園祭礼図屏風に描かれているように6尺棒をもち、本来は神輿に敬意を払わない見物人や酒を飲んで喧嘩をし騒動を起こしがちな神輿かき、太鼓かきらを取り締まるための警護役が様式化して行列の構成員となり、独特の演舞をするようになったのではないか。神服神社の神輿かきは鎌倉末期あるいは室町時代初期までには始まっていたと考えられ、三好長慶の時代にもおそらく神事が行われていたという。

古藤さんの研究により神事の構成や様式などは解読されたものの、演奏、振り付けなどを再現するには芥川高校和太鼓部の協力が必要であった。同校和太鼓部は全国高校総合文化祭の郷土芸能部門の常連校で、数々の賞を受賞しており、海外でも高く評価されている。山下名誉顧問や部員により、譜面や演舞が見事に再現された。

古藤さんは、「若い人たちと一緒に、太古の様式を復元することで地域おこしに役立てたい。奇しくも芥川城跡が国史跡指定を受けたことをもあり、神事復活と共に武者行列も加えて祝賀にしたい」と話している。

【イベント情報】
・場所 神服神社 高槻市宮之川原元町2-25
・日時 令和5年5月5日(祝)
10時00分~ 祭礼神事
12時頃~   神輿への神降、大太鼓の打ち方
13時05分~ 棒振り神事
13時10分~ 行列の地域練り歩き(境内外へ)
13時45分~ 和太鼓演奏(境内)
14時20分~ 行列の境内入り
15時00分  終了

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監修:全国寺社観光協会

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