静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社境内に、宿泊施設「掬水(きくすい)」が新たに開業した。この施設は、世界遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」に登録された浅間大社の敷地内という特別な立地を活かし、歴史と自然を同時に感じられる滞在を提供する。
富士山本宮浅間大社は、古くから富士山信仰の中心地として知られる神社で、境内には湧玉池(わくたまいけ)と呼ばれる湧水池がある。この池は、富士山の伏流水が一日30万トン湧き出ることで知られ、その水は名水百選にも選ばれている。「掬水」の名前は、この湧玉池に由来しており、富士山の自然と文化が宿泊体験に深く結びついていることを象徴している。
宿泊施設は全4室の客室を備え、それぞれが日本庭園を望む設計となっている。伝統的な和の要素を取り入れつつも、現代的な快適さを追求した空間で、宿泊者は静寂の中で心と身体を癒すひとときを過ごすことができる。また、宿泊者限定の境内散策ツアーや特別な神事体験も用意されており、富士山信仰に触れる特別な時間を提供している。
この施設を運営するカソク株式会社は、全国で宿泊施設の開発や運営を手がけている企業だ。「掬水」では、伝統的な和のデザインと現代的な快適さを兼ね備えた空間を提供し、特別な神事体験や境内散策ツアーを通じて訪問者に浅間大社の文化的価値を深く知ってもらうことを目指している。
この試みは、神社境内における滞在型観光の新たな形を示すものとなる。
【出典:PRTIMES 2025年1月14日】