
神楽殿前に大的 (おおまと) を掲げ、拝殿より宮司をはじめ神職が、白羽の矢を射る
長野県安曇野市の穂高神社で、2025年3月17日15時から「奉射祭(おびしゃさい)」が執り行われる。五穀豊穣や殖産興業発展を願うこの神事は、安曇野に春の訪れを告げるものとして知られ、同市の無形民俗文化財に指定されている。
奉射祭では、直径5尺2寸(約1.6メートル)の大的に「甲・乙・厶」の組み文字を貼り、拝殿から神職が矢を放ち邪鬼を祓う。宮司と権宮司がそれぞれ「神の矢」「殿の矢」を四方に放ち、続いて神職が交代で12本の鏑矢を射て、一年の豊凶を占う。かつては射られた矢の一部が藩主に奉納されていたが、現在は的の破片や矢を参拝者が持ち帰り、魔除けや豊穣の御守りとして神棚や戸口に供える風習が残る。
【出典:PRTIMES 2025年2月25日】