
藤原宮跡(写真提供:世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会HP)
近鉄グループホールディングス株式会社が展開する「近畿文化会」は、好評の「入門臨地講座」を2025年も開催することを発表した。講座と現地見学を組み合わせたこのユニークな文化体験は、今年で7年目の節目を迎える。
「講義を聴くだけでなく、実際に足を運んで見る。それが文化財の真の理解につながります」と近畿文化会の担当者は語る。歴史・文化財研究の第一線で活躍する専門家による解説と、実際の史跡や寺社を巡る構成が人気の秘密だ。
第1回は”日本初の首都”藤原京へ
4月26日に開催される今年の第1回は、奈良県橿原市の藤原宮跡が舞台となる。奈良大学の相原嘉之教授が午前中に講演を行い、参加者の理解を深めた後、午後からは本薬師寺跡や朱雀大路跡など、日本初の本格的都城・藤原京の遺構を実際に巡る。往時の都の姿を想像しながらの散策は、教科書だけでは得られない感動を呼ぶことだろう。
美しき極楽浄土の表現・平等院鳳凰堂も
続く5月17日の第2回では、京都府宇治市の平等院鳳凰堂を訪問。京都大学大学院の冨島義幸教授が講演を担当し、その後、国宝・鳳凰堂の内部やミュージアム鳳翔館の見学が予定されている。藤原頼通が極楽浄土を表現するために建立したという鳳凰堂の美しさを、専門家の解説とともに堪能できる貴重な機会となる。
70年以上続く文化継承の取り組み
「入門臨地講座」を主催する近畿文化会は、文化財愛護と歴史知識の向上を目的に1949年に設立。70年以上にわたり、近鉄沿線を中心とした歴史的名所を紹介する月刊誌『近畿文化』の発行などを通じて、地域の文化財の魅力を広く伝える活動を続けている。

平等院鳳凰堂(写真提供:平等院)
【出典:PRTIMES 2025年2月25日】