お坊さんが仕掛け人!博多の商店街がSDGsな「リトルアジアマーケット」に大変身!

合い言葉は「困ったときの住職さん」

もちろん、街の活性化は、「吉塚市場 リトルアジアマーケット」のグランドオープンがゴールではない。

「西林寺で私が続けているカンボジアへの支援を通じて学んだのですが、何ごとも、継続することの重要性を実感しています。今回のプロジェクトでは、吉塚に暮らす外国人の思い、商店街の人たちの気持ちにしっかりと耳を傾け、それをプロジェクトにどう反映すればみなさんが安心できるのかを考え続けました。それはこれからも変わりません。大切なのは傾聴です。そこから得たヒントを、ご協力いただける方々の力で創造性に変え、商店街の未来につなげていきたいと考えています」

商店街に鎮座する釈迦像を安置した御堂は、安武住職が代表世話人になった。プロジェクトの実施にあたって寺を飛び出し、東奔西走していたこともあって、いつの間にか商店街や近隣の人たちからは「困ったときの住職さん」と言われるようになった。

「ありがたいことです。素直に褒め言葉だと受け止めています(笑)国籍の別なく、この地に集う人たちのことを真摯に考え続けること、それこそが、私の役割なのですから」

リトルアジアマーケットに出店した飲食店では、外国人留学生が楽しそうに食事をする姿も

旧吉塚商店街が「吉塚市場 リトルアジアマーケット」となって生まれ変わり、新たな歩みを始めてひと月。もっと賑やかにという思いが地域の人たちに芽生え始めている。「もっとこうしたらいいのでは?」「こんなことはできないだろうか?」といった声が、安武住職のもとへ届くようになってきた。国籍は関係ない。地域に暮らす人みんなが安心して、楽しく過ごすことができるように、これからもできるだけ多くの声を聞き続けるつもりだと安住住職は覚悟を決めている。

「継続していくことの大変さはわかっています。でも、大変だと思うよりも、面白そう!というマインドで向き合っていこうと思っています。僧侶が街づくりに関わるって、こういうポジションなのかもしれませんね」

西林寺には350年の歴史がある。しかしその歴史にあぐらをかいていては、生きてはいけない。かつてアジアを旅して、思い、悩み、苦しんだ一人の僧侶が、今、しっかりとその足を大地に付けて、地域と共に歩み出そうとしている。

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監修:全国寺社観光協会

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