社会課題解決3つのヒント! お坊さん向けキャリアスクールTERA WORK SCHOOL体験会レポート[前編]

 

現在では宿の指針となっている「育する」は、稲本氏個人の思いに端を発したものだった(講義資料より)

「育する」には、子どもを育てるために商売をしてきた家系であることから「教育」のテーマも重なっている。さらにその前提として、「お寺だからこそ、公(おおやけ)のために施していきたい」といった考えも加わっている。

「育てる」でも「育(はぐく)む」でもない。
独自の表現としての、思いの込められた唯一無二のコンセプト「育する」である。

「誰かのため」「まわりのため」という志は美しい。
だがしかし、自分よりも他者優先で働くことは、一見すると美徳のように思えるが、長く続けることはそうそう容易なことではない。どこかに「自分のため」も必要だ。それがモチベーションにもなる。

とはいえ、サービスを業とするのならば、選ばれる必要がある。それなくしては、どんなに素晴らしい理念も、すべて水泡と帰す。

その点で、禅の湯の理念「育する」は、「自分が働く原動力」と選ばれるための「他者との差別化」が強固な二枚岩となって形作られていて、簡単には揺るぎそうもない。

さてこの「育する」だが、実は地域コミュニティにも大きなインパクトをもたらしている。
後編では、僧侶向けキャリアスクール「TERA WORK SCHOOL」体験会で披露された、禅の湯式「過疎地が元気になる仕組みづくり」について紹介したい。

▼後編はコチラから

▼後編の前に「禅の湯」の取り組みについてはコチラから

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宿坊の裏山から撮影。手前に見える瓦屋根が慈眼院、中央の白壁の建物が禅の湯の宿泊棟。一見すると段々畑が連なる山あいの温泉宿にすぎないが、そこは唯一無二の「育する」宿坊なのだ (photo by 寺社Now)

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監修:全国寺社観光協会

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