第2番札所「碁石山(ごいしざん)」(第8番常光寺奥の院)
山全体が修行場だという第2番札所「碁石山」は、切り立った崖の尾根道と大きな洞窟が特徴です。山の岩肌が、まるで碁盤に黒い碁石が置かれているように見えるところから、碁石山と呼ばれているんだそうです。
クルマで細い山道を登り、駐車場に着くと、目の前に弥勒殿(みろくでん)、そしてその上に大きな修行大師(弘法大師)像が!
すぐ左手を見ると江戸時代末期「安政6年」と刻まれた石鳥居が立ち、仏教と神道 が混ざり合っていた時代の神仏習合のなごりを感じさせてくれます。
よく見るとそこに「本堂はこの先です」と書かれた小さな看板が置かれています。そうなんです、実はこの鳥居をくぐり、階段を登っていった先に本堂があるのです。
なんでも、たまにこの弥勒殿を本堂と勘違いして、ここからまだ上にある本堂まで辿りつかない方がいるんだとか。
ということで、看板に誘われて階段を登ると、途中で二股にわかれていて、左へ行くと本堂、右へ行くと浪切不動明王が安置されている絶景ポイントへと辿りつきます。
本堂は、岩壁にめり込むように建っていて、中を進むと岩肌が露出した洞窟になっています。その洞窟の本堂で、護摩木に願いを書いて、護摩祈祷をしていただきました。ほの暗い洞窟の中で、パチパチと護摩木が燃え、炎が舞い上がる様子は幻想的です。
護摩祈祷が終わり、先ほどの分岐点までもどり、今度は右側を登っていくと、切り立った崖の上、標高300メートルの頂で、浪切(なみきり)不動明王が穏やかな瀬戸内の海を見守っています。浪切不動明王は、文字通り「波を切る」海上安全の仏さまです。
よく、小豆島へんろのポスターなどに使われている写真の場所で、あたりをぐるりと一望でき、まさに絶景とはこのこと!
小豆島八十八ヶ所HP
第2番札所 碁石山(第8番常光寺奥の院)https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/02.html
第8番常光寺 https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/08.html
第72番 滝湖寺(りょうこうじ)奥の院「笠ヶ滝(かさがたき)」
笠ヶ滝は、そそり立つ断崖絶壁に本殿がある山岳寺院です。鳥取県の三佛寺の奥院「投入堂」を思い出しました。難所といわれ、本殿が岩肌の斜面にへばりつくように、懸崖造りで建てられています。
いったいどうやって建てたのでしょう。本堂に行くためには、崖のような険しい岩場を鎖だけを頼りに登っていかなければいけません。そのため、参拝は8時から14時までになっています。
普段全く運動していない私に登れるのかしらと一抹の不安を感じましたが、96歳の方も登ったという話を聞き、負けじと登り切りました。鎖があるので、思っていたよりは楽に登ることができました。岩場の端には「い」「ろ」「は」「に」…の石が置かれています。
後半の岩山は、より急角度になり、持つのが鎖から手すりになっています。上に辿り着くと本堂の入り口は正面ではなく、左側の鰐口がぶら下がる洞窟の入り口からになります。中は撮影は禁止です。
洞窟の中に入ると、左奥には具合の悪いところをさすればそこを治していただける、ありがたい「なで仏」さまがいらっしゃいます。
途中に「幸せくぐり」と呼ばれる、六角形の木枠が入ったくぐり岩があります。このくぐり岩は、産道の意味があるそうで、くぐり抜けると生まれ変われる「滅罪招善(めつざいしょうぜん)」のご利益があるそうです。
簡単そうなので、私もくぐろうとしたのですが、うまくくぐれませんでした。時間をかければくぐれるとは思うのですが、その先の本堂が気になってしまい、くぐるのは断念しました。まだまだ修行が足りないようです。
賽銭箱の奥には山のように指輪が奉納されています。ここでは、「指守り」という指輪が授与されているのです。ご利益を得られた方々がその指輪を奉納されているそうです。指輪は、純銀(2,000円)と洋銀(1,000円)干支(800円)の3種類で、サイズも豊富。見本が置いてあるので試してから買う事ができます。右手、左手、それぞれの指のはめる場所によって御利益が違うとのこと。指が浮腫で入らなくなったらいやなので、私はフリーサイズの干支の指輪にしました。
お堂の上の方をよく見ると、昔のコルセットが奉納されています。昔、脊椎カリエスなどの病気でコルセットを使用した方が、ご利益を得られて奉納されたそうです。いろんなご利益が得られそうな札所です。
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第72番 滝湖寺 奥の院「笠ヶ滝」 https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/72oku.html
第72番 滝湖寺 https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/72.html
第54番 「宝生院(ほうしょういん)」
小豆島は、大きな木があるお寺さんもたくさんあります。中でも、宝生院の境内にあるしめ縄を巻かれた巨木「真柏(しんぱく)」は、樹齢1600年以上という応神天皇御手植えの木ともいわれ、国指定特別天然記念物です。遠くから見ると何本もの木が集まっているように見えますが、実は1本の木。幹の周囲は約17m、樹高約21m。近くに行くとその大きさや、神秘的な姿に圧倒されパワーを感じないではいられません。
本堂の中に入ると、立派な欄間彫刻。壁には、龍の絵。真ん中の御本尊の地蔵菩薩が祀られているお厨子の扉は閉まっていますが、むかって左側には、美しい冠をかぶった宝冠釈迦如来坐像が祀られていました。
「宝生院」の立派な境内には、第51番「宝幢坊(ほうどうぼう)」と、第52番「旧八幡宮(きゅうはちまんぐう)」が併設されていちどに3つの札所をお参りできます。
ちなみに、第51番「宝幢坊」のご本尊は十一面観音ですが、その像より大きな珍しい姿の四面の毘沙門天坐像が中央に祀られています。正面からだと左右のお顔しか見えませんが、後ろにもお顔があり、よそでは見たことのないお姿です。毘沙門天は立っている姿がほとんどなので、座っておられるというのも珍しいかと思います。
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第54番 宝生院:https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/54.html
第51番 宝幢坊:https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/51.html
第52番 旧八幡宮:https://reijokai.com/shodoshima88/reijo/52.html
ということで、だいぶ端折りましたが、そんなこんなの5泊6日で小豆島霊場94ヶ所を無事全部巡り終えた後に、最初に訪れた小豆島霊場会総本院で、結願の証(2千円)を発行していただきました。すべて遺さずにまわりきれるか不安でしたが、無事結願できて感無量です。
小豆島八十八ヶ所霊場は、自然の起伏に富み、眺めがいいところも多く、アドベンチャー感もある札所がたくさんあり、とても楽しめました。また小さな堂庵も、守っておられる堂守さんや地域の方々がお掃除やお手入れをきちんとされていて、素晴らしいなと感じました。そうめんやうどんなどのご当地グルメも美味しかったです。次回はぜひ、歩いて巡ってみたいものだと思った次第です。
〈参考URL〉
▪小豆島八十八ヶ所めぐり公式HP:https://reijokai.com
▪霊場MAP:https://reijokai.com/shodoshima88/map.html