自然葬の一つとして近年注目を集める「海洋散骨」に、生前から安心して備えるための新たな選択肢が登場した。海洋記念葬シーセレモニー(株式会社SPICE SERVE)は、2025年3月31日より、生前に散骨内容を計画できる「生前予約チケットプラン」の受付を開始した。
このプランは、本人の希望に基づいて散骨方法や対応者を生前に決めておくことで、遺族が迷うことなく対応できるよう設計されている。現代の葬送文化において、「自分の最期は自分で決めたい」というニーズが高まる中、宗教儀礼にとらわれない自然葬を選ぶ人が増えていることを背景に、同社が打ち出したサービスである。
「生前予約チケット」は、代理散骨(165,000円〜)と乗船散骨(385,000円〜)の2種類から選択可能。粉骨処理や写真記録、証明書の発行、施行連絡の代行などを含み、希望に応じてセレモニー演出も追加できる。また、本人があらかじめ費用を用意し、贈り物として家族に託す「生前チケットギフト」としての利用も視野に入れている。
「散骨を望んでいるが家族には言い出せない」「自分の意思を正式に残しておきたい」――そうした声に応え、形式にとらわれず、海という開かれた場に想いを託す。船上での見送りを専門とする同社は、東京湾・相模湾をはじめとする全国44海域にて対応し、旅立ちを“記念日”として刻むスタイルを提案している。
都市化や家制度の変化により、墓地や菩提寺に代わる新たな弔い方が求められている今、自然とともにある葬送のあり方に注目が集まっている。生前から自らの「かたち」を選び、海とともに人生を締めくくる——その備えに向けた新しい選択肢が提示された。
【出典:PRTIMES】