三十三間堂ほかでも連動企画!奇才ウォーホル創作の秘密は京都の寺社にあり!「アンディ・ウォーホル・キョウト/ANDY WARHOL KYOTO」開幕(京都市京セラ美術館:9/17-2/12)

会場は、京都市京セラ美術館の新館「東山キューブ」※写真は本館 [撮影:寺社Now 2022年9月16日]

開幕前日の開会式と内覧会には関西のメディアが勢ぞろいした。登壇者は左から、乃木坂46 齋藤飛鳥(展覧会オーディオガイドナレーター)、門川大作(京都市長)、パトリック・ムーア(アンディ・ウォーホル美術館館長)、渡辺 和則(ソニー・ミュージックエンタテインメント取締役執行役員)※敬称略[撮影:寺社Now]

20世紀ポップ・アート界の巨人、アンディ・ウォーホール(1928-1987)
本展は、米・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵品から、なんと100点以上もの日本初公開作品を含む約200点が出展され、ウォーホルとはいったい何者であったのかに迫る大回顧展である。コロナ禍で2年順延となっていたが、ついに開催の運びとなった(巡回はなく、京都のみで開催)。

会場風景[撮影:寺社Now] 中段と下段に写っているのは、アンディ・ウォーホル美術館のムーア館長。中段右側の作品は 《キャンベル・スープ I:トマト》1968年(アンディ・ウォーホル美術館蔵) 紙にスクリーンプリント88.9 x 58.4 cm ©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York. 下段は《最後の晩餐》1986年(アンディ・ウォーホル美術館蔵)©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

寺社Now注目は、ウォーホルと京都、そして神社仏閣との関わり!
ウォーホルは生涯二度、1956年(昭和31)と1974年(昭和49)に来日している。そのうち2回目はすでに世界的に大成功を収めて超有名人になってからであったが、初回の1956年の旅は、まだ28歳、本名〝アンドリュー・ウォーホラ〟を名乗っていた当時のことである。

貧しい東欧移民の子としてペンシルベニア州ピッツバーグで育ったアンドリューは、ニューヨークで商業デザイナーとして成功を収めた後に生まれて初めて世界一周の旅に出た。その最初の目的地が日本だった。そして寺社を中心に京の都を巡り、目につくものを精力的にスケッチした。

ウォーホルと日本そして京都にまつわる展示コーナー会場風景[撮影:寺社Now] 2段目右側)本展キュレーターのホセ・カルロス・ディアズ氏(アンディ・ウォーホル美術館主任学芸員)。2段目左側)手前に見えている作品は 《京都(清水寺)1956年7月25日》 1956年(アンディ・ウォーホル美術館蔵)マニラ紙にボールペン 43.2 x 35.6cm ©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York. 3段目)会場では来日時のムービーも流されている。最下段)2度目の来日(1974年)に際して京都で出会った生け花を作品化した手彩色の「花」シリーズと、その右手に見えている着物は当時購入したもの

敬虔な東方カトリック教徒の家庭で育ったアンドリューは、京都の寺院で〝金箔〟の使い方に目を奪われ、また龍安寺の石庭ではその〝静寂〟に心打たれた。
そこで得たインスピレーションが、後の彼の作品に影響を与えたことが知られている。千体の観音像が立ち並ぶ三十三間堂での衝撃は、マリリン・モンローを扱った作品をはじめとする同じモチーフを並べるアンディ・ウォ−ホルの作品につながっていったとも言われている。

本展のキュレーションを担当したアンディ・ウォーホル美術館のディアズ学芸員は、京都でのみ開催される今回の大回顧展の注目ポイントとして「これぞウォーホールという誰もが知っているウォーホールと、そしてもうひとつ、知られざるウォーホルという人間にも触れてほしい」と語った。

ウォーホルが京都で残した直筆のスケッチ類を通して若き創造の魂に触れ、そしてその足で彼が描いた京都の寺社を巡るという贅沢な体験が可能だ。ミュージアムの会場が「京都・ウォーホル創作の寺社旅」への入り口となる。
[会期:2022年9月17日〜2023年2月12日まで]

会場風景[撮影:寺社Now] 写真右)ムーア館長が解説している作品は、【日本初公開】アンディ・ウォーホル 《孔雀》 1957年頃(アンディ・ウォーホル美術館蔵)ストラスモア紙に金箔、水彩、インク 45.4 x 25.7cm©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York. 京都の寺院で出会った金箔の使い方に強いインスピレーションを受け、ウォーホルは金箔を用いた作品を数多く残している(写真左)

京都でウォーホルが訪ねたと記録が残っている場所

①都ホテル:https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/
②平安神宮:http://www.heianjingu.or.jp/
③清水寺:https://www.kiyomizudera.or.jp/
④北野天満宮:https://www.kitanotenmangu.or.jp/
⑤三十三間堂:http://sanjusangendo.jp/
⑥桂離宮:https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
⑦龍安寺:http://www.ryoanji.jp/smph/
⑧京都御所:https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html
⑨山中商会京都支店:http://yamanaka-syokai.com/index.html
⑩流響院(旧織宝苑):https://www.ryukyoin.jp/

アンディ・ウォーホルの足跡を辿る「ウォーホル・ウォーキング」実施中
本展の連動企画として、ウォーホルゆかりのスポットをめぐる「ウォーホル・ウォーキング」が開催されている。たとえば三十三間堂では「アンディ・ウォーホル・キョウト特別展示 at 妙法院門跡 三十三間堂」と題して、ウォーホルが拝観中の写真千手観音菩薩立像の直筆スケッチ日本初公開特別展示されている。

三十三間堂で得たインスピレーションが、金箔を用いた作品や、1960年代の作品に見られるモチーフの繰り返しにも影響を与えたのではないかと言われているが、一枚のスケッチから彼が受けた衝撃を想像してみてほしい。また、拝観中の写真は、来日時に帯同したカメラマン 原榮三郎氏(故人)の出身地である佐賀県有田市で今回見つかった貴重な一枚であり、もちろんこちらも初公開となる。

上)妙法院門跡 三十三間堂(正式名称:蓮華王院本堂) 下)「アンディ・ウオーホル・キョウト特別展示 at 妙法院門跡 三十三間堂」堂内に足を踏み入れるとそこに拝観中のウォーホルの写真と直筆スケッチが展示されている。(展示期間:2022年9月17日(土)〜2023年2月12日(日) )[撮影:寺社Now] ※堂内は一般撮影禁止(今回特別に許可を得て撮影しています)

▼京都市京セラ美術館ミュージアムショップ

ポップな図録やグッズも充実![撮影:寺社Now]

京都市京セラ美術館
「アンディ・ウォーホル・キョウト/ANDY WARHOL KYOTO」

会場京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
開催期間2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)
休館日月曜日(祝日の場合は開館)、12/28~1/2
開館時間10:00 ~ 18:00(入館は17:30まで)
料金 土日祝一般 :2,200円
平日一般:2,000円
大学・高校生:1,400円
中学・小学生:800円
お問合せ075-771-4334
公式サイトhttps://www.andywarholkyoto.jp/

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監修:全国寺社観光協会

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