ランニングは体のエクササイズ。瞑想は心のエクササイズ。 ちょっとしたトレーニングで、毎日は活力に満ち、同時に物ごとを深慮できるようになる。
9つのフルマラソンを完走した高僧が説く、走り、瞑想することを通じて、人として確実に成長する技術とは。
瞑想を重視するシャンバラ仏教の最高指導者である著者は、ランニングに真剣に取り組むなかで瞑想とランニングの自然な関係について考察を深める。瞑想は心の、ランニングは体のトレーニングで、どちらも継続しながら一つずつハードルを超えていくことで人として成長できる。
本書では瞑想とランニングをその習熟の度合いによって、チベットの4つの尊い存在であるタイガー、ライオン、ガルーダ、ドラゴンに分ける。これらの存在は、段階的な進歩を示していると同時に、互いに頼り合う包括的な存在でもある。そして4つの段階を経たとき、長寿、健康、成功、幸福をもたらす強い風の馬「ルンタ」の高みに達することができる。
基礎を築くとはどういうことか? ランニングや瞑想を日常化させるにはどうするか? 怠けたい心にどう向き合うか? 目標の設定はどうするか? 体を痛めたときはどうするか? 呼吸に向き合うとはどういうことか? 人と話しながら走る意味とは? 私たちは走ることで何を目指すのか?
著者は「瞑想とランニングは違う」としながらも、両者の原則を統合しながらやさしく読者に語り掛ける。ランニングも瞑想も「心を込める」いい機会だ。本書を読めばランニングをしているひとは瞑想を、瞑想をしているひとはランニングをはじめたくなり、それぞれの初心者から熟練者にいたるまで、明日も一歩前に踏み出す勇気がみなぎってくるだろう。