近世、中世の時代ですら遠いものと感じている私たちです。ましてや、古代人の思いを酌むことなどは至難の業です。
だからこそ、想像してみます……大昔の人々がその土地に定着するため、まずやったことは「どこに神を祀るか」だったのではないでしょうか。
命は、今も昔も不安定で制御不能な因果律に則っています。それら不可解な法則にどう折り合いをつけるかが、当時の社会にとっては最重要だったのでしょう。
だからこそ、自然の霊威と折り合うべく、しかるべき「場」が求められカミ祀りが行われるようになったのでしょう。そのような特別な場は、非礼があれば祟られる場所とされ、長く保たれてきました。
時代の流れで意味づけの変化はありましたが「そこ」は現在も意味あるものとして残されています。
そのように日本全国にひっそりと遺され、今もただならぬ気配を伝える「神々のおわす場所」。この世ならぬ神域の景観を求めて旅をする神仏探偵でもある著者が神々のスイートスポットを探索。魂を震わすヴィジュアルとともに、日本人の深層に眠っていたカミの記憶を呼び覚ます、そのような一冊となっています。
<著者プロフィール>
本田不二雄 ほんだ・ふじお
1963年熊本県生まれ。ノンフィクションライター、編集者。おもに一般向け宗教書シリーズの編集制作・執筆に長く携わる。
著書に、『ミステリーな仏像』(駒草出版)、『噂の神社めぐり』(学研プラス)、『今を生きるための密教』(天夢人)、『神社ご利益大全』(KADOKAWA)、『弘法大師空海読本』(原書房)などがあるほか、『週刊神社紀行』シリーズなど共著多数。
書名:異界神社 ニッポンの奥宮
著者:本田不二雄
定価:本体1,980 円(税込)
仕様:四六 判(並製)/214 頁
ISBN:978-4-909646-43-9
発売日:2021 年8月2 日
発売元:駒草出版(株式会社ダンク 出版事業部)
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