金銀が輝くきらびやかな装飾経を初公開! 上原コレクション名品選 きん ぎん すみいろ/船と絵画

上原美術館のプレスリリース

上原美術館の収蔵品から選りすぐりの作品を紹介する「上原コレクション名品選」。今回は、新収蔵品を中心に、美しい古写経の世界と、船を描いた絵画をご紹介する展示を行います。
仏教館の企画展「きん ぎん すみいろー新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに」は、平安時代に書写されたきらびやかな装飾経や、墨色美しい古写経をご紹介するとともに、多くの経典や文物を日本へもたらした弘法大師・空海の生涯を描いた絵巻物の一部、≪高野大師行状絵巻断簡≫を新収蔵・初公開いたします。
近代館の企画展「船と絵画―みなもに揺られて」は、上原コレクションの中から、船が描かれた絵画に注目して展示いたします。遠くの人やものを繋ぐ船は、いにしえより人々の生活のそばにあり、旅や人生を想起させます。本展ではシニャックやルノワール、マルケらの船の絵画をご紹介するほか、新収蔵となる須田国太郎≪下田港≫を初公開いたします。

展覧会概要

1)展覧会名  上原コレクション名品選
【仏教館】 きん ぎん すみいろ―新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに
【近代館】 船と絵画-みなもに揺られて
2)会期    2022年4月29日(金・祝)~9月25日(日) 150日間 会期中無休
3)開館時間 9:30–16:30(最終入館は16:00まで)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、変更となっております。
4)会場   上原美術館 近代館・仏教館  〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
5)料金   一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
当館では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご来館のお客様へ以下のご協力をお願いしております。
―ご入館時のお願い
・マスクの着用をお願いいたします。(お持ちでない方には、マスクをお渡ししています)
・手指消毒の徹底をお願いいたします。(アルコール消毒液をご用意しております)
・「検温」および「体調確認書」のご記入にご協力ください。
※体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございます。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限をする場合がございます。
・ラウンジでのお飲み物のサービスを当面の間、休止させていただきます。
―当館での取り組み
・職員は毎日検温し、マスク着用にて応接させていただきます。
・感染症拡大防止のため、受付への飛沫防止アクリル板の設置、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期的な館内清掃を強化しております。

―展覧会の見どころ

≪高野大師行状絵巻断簡≫鎌倉~南北朝時代 紙本著色 ※新収蔵・初公開

【仏教館】 きん ぎん すみいろ―新収蔵・高野大師行状絵巻断簡とともに
■ 新収蔵・初公開!中世の絵巻物断簡

 

高野大師とは平安時代、中国で密教を学び日本へと伝えた弘法大師・空海のこと。空海の生涯をあらわした絵巻物は数種ありますが、当館ではそれらの一つにあたる高野大師行状絵巻の断簡を新収蔵しました。
鎌倉~南北朝時代に描かれた本図は、空海が中国で集めた多くの経典や文物が大きな船に載せられ、九州・大宰府へもたらされた様子が描かれています。小さな小舟へと船人が大事そうに荷物の受け渡しをしている本図の場面からは、海外からやってきた新しい文化が日本へと受容される様子がうかがえます。

■きらびやかで美しい装飾経≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫

≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫平安時代 彩箋墨書 ※新収蔵・初公開

遠く中国から日本にもたらされた仏教の経典は、やがて美しい装飾を施したものが作られるようになります。平安時代後期には貴族たちによって美麗な装飾経が数多く生み出されました。本展で初公開となる≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫は、金銀箔を細く切ったものを紙に散らした華やかな装飾経です。800年近い時を超えてなお美しくきらめく本作品からは、荘厳な仏の世界が浮かび上がるかのようです。上原コレクションの古写経をお楽しみください。

【近代館】 船と絵画-みなもに揺られて
■ 画家と船のものがたり

ポール・シニャック≪アニエール、洗濯船≫1882年 油彩、カンヴァス 38.6×56.0㎝

遠くの人やものを繋ぐ船は、古くから人々の生活のそばにありました。そして、画家たちは様々な思いとともに船を描きます。新印象主義の画家シニャックは生涯30隻以上の船を所有し、海の風景を数多く描きました。≪アニエール、洗濯船≫は画家18歳の作品です。モネに憧れて絵を描き始めた若きシニャックによるセーヌ川のかがやきは、大海に船を漕ぎ出す自らの未来を暗示するかのようです。
旅の画家マルケもまたセーヌ川などで多くの船を描きます。マルケにとって船が大きな意味を持つようになったのは1920年のことです。北アフリカのアルジェを旅したマルケは、そこで生涯の伴侶と出会いました。その後、度々地中海を渡ったマルケは、船そのものが後半生をあらわす重要な乗りものとなります。
1954(昭和29)年に下田を訪れた須田国太郎は港の向こうに並ぶなまこ壁の家々を印象的にとらえ、船が行き交う町の風情をとらえています。本展覧会では新収蔵となる須田国太郎≪下田港≫を初公開します。その他、下田市白浜の板戸海岸を描いた牛島憲之≪雨明かる≫も展示します。

≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫平安時代 紺紙金銀泥 重要美術品

―主な出品予定作品
[仏教館]
1.≪高野大師行状絵巻断簡≫鎌倉~南北朝時代 紙本著色 ※新収蔵・初公開
2.≪金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡≫平安時代 彩箋墨書 ※新収蔵・初公開
3.≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫平安時代 紺紙金銀泥 重要美術品

[近代館]
4. ポール・シニャック≪アニエール、洗濯船≫1882年 油彩、カンヴァス 38.6×56.0㎝
5. アルベール・マルケ≪曳き舟≫1920年 油彩、カンヴァス 33.0×41.0㎝
6. 須田国太郎≪下田港≫1957(昭和32)年 油彩、カンヴァス 50.0×61.0㎝
※新収蔵・初公開 ほか


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監修:全国寺社観光協会

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