掃除という万人共通の生活行動が「悩み」を解決する。
15歳で仏門に入り、朝から晩まで掃除と修行の日々を過ごした光永圓道が28歳で挑んだのは、最も苛烈な修行といわれる「千日回峰行」。平安時代から1000年以上続く命がけの難行苦行で、地球1周分に相当する約4万キロメートルを7年かけて徒歩で巡礼し、9日間にわたって断食・断水・不眠・不臥で不動明王を念じる。織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした1571年以降、満行した者はたった51人だけ。
著者はちょうど50人目の達成者=北嶺大行満大阿闍梨(ほくれいだいぎょうまんだいあじゃり)。荒行を経た大阿闍梨は「不動明王の化身」である生き神となる。本書では、現代の生き仏が到達した「心地よく生きるための作法」を説く。
«私が住持する覚性律庵には日々、さまざまなかたが訪れ、お話を聞かせてくださいます。人間関係や仕事の行く末、突然襲いかかってきた不運。お悩みには、ひとつとして同じものはございません。
けれど、私から申し上げられることは一貫しております。困難や問題に立ち向かい、解消せしめんとするとき、「自分」だけに目を向けてはなりません。
それだけです。私が皆さまに生かされているように、あなたもまた「自分以外の世界」によって生かされているのではないでしょうか。
難しい物事に立ち向かうとき、最初に手をつけるべきは「環境」を整えることです。そしてまた環境とは、人間関係だけでもないでしょう。現実に、もっとも長い時間、あなたを取り巻いている「環境」は人ではなく、自宅や仕事場といった「ものの環境」ではありません。
それを整えることが、本書のテーマ「掃除」です。»
(本書「はじめに」より)
光永圓道大阿闍梨が天台仏教、そして荒行で体得した「良く生きるための気づき」を、掃除という万人共通の生活行動を通して説く、唯一無二の人生哲学書であり、自己啓発書。
【本書の主な内容】
千日回峰行との出会い
「痛みは、自分の勝手な都合に過ぎない」
早く美しく楽に「歩く」方法
最初の一歩は「心」ではなく「形」から
人の成長とともに増える秘密
ゴミ箱の「ふさわしい場所」は3か所だけ
床にものがあってはいけない
「きれい」を決めるのはあなた自身
家族が互いに3つの責任を求められること
自分と向き合い心を切り替えることが「掃除の本質」
日常の言葉を整える
新しい道具は躊躇なく
あなたの後の、すべての「どなたか」のために
悟りを見出す唯一の「道」
今日より明日、明日より明後日をよりよく生きるためのヒントに気づかされる一冊。
〈目次〉
第1章 生きることと、修行すること
第2章 心よりも、まずは形から身につけなさい
第3章 ものは「ふさわしい場所」に置かれれば、それだけで美しい
第4章 なぜ掃除をするのか。明確な目的を持ちなさい
第5章 あなたはひとりではない
第6章 掃除を通して、自分と向き合う
第7章 続けるためには喜びを
第8章 自分のため、を超えて
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『比叡山大阿闍梨 心を掃除する』
著/光永圓道
定価:1760円(税込)
判型/頁:4-6/240頁
ISBN978-4-09-388893-6
小学館より発売中(11/25発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388893
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【著者プロフィール】
光永圓道(みつなが・えんどう)
1975年、東京都に生まれる。
1990年、比叡山にて得度受戒。
1997年、花園大学仏教学科卒業。
2000年、延暦寺一山・大乗院住職。
2008年、明王堂輪番拝命。
2009年、千日回峰行満行。北嶺大行満大阿闍梨。
2015年、十二年籠山行満行。
現在、大乗院住職、覚性律庵住職。