平泉・春の藤原まつりが存続の危機 義経公行列継承へクラウドファンディング始動

岩手県平泉町の春を彩る「春の藤原まつり」が、今年も5月1日から5日までの5日間開催される予定だ。しかし、町をあげて行われるこの大祭が、財政的な限界に直面している。伝統の継承を目指し、主催する平泉観光協会と地域観光会社「世界と平泉株式会社」は、3月28日からクラウドファンディングによる支援募集を開始する。

▶プロジェクトURL:https://camp-fire.jp/projects/833946/view

特に注目されるのは、5月3日に行われる「源義経公東下り行列」。兄・源頼朝の追討を逃れた義経が平泉に到着した史実に基づき、藤原秀衡公による迎えを再現する平安絵巻である。行列は、世界遺産・毛越寺から中尊寺まで総勢91名が練り歩き、沿道を埋める観客を魅了する。1973年からは著名な俳優が義経役を務めるようになり、注目度も高まった。今年の主役には、アイドルグループ「INI」の尾崎匠海が決定している。

しかし、行列をはじめとする全体の運営には、約1,000人の関係者が関わり、膨大な安全対策が求められる。無料観覧を貫いてきた一方で、補助金や協賛金は年々減少し、費用は過去10年で倍増した。これまでは関係者の奉仕と努力によって支えられてきたが、現体制のままでは継続が難しくなっている。

今回のクラウドファンディングでは、安全な実施に必要な費用の一部を募る。支援者への返礼品としては、義経公の衣装柄を取り入れたオリジナルグッズや平泉産の米などが用意されている。プロジェクトは4月30日まで、CAMPFIRE上で展開されている。

世界遺産・平泉に息づく900年の伝統が、今岐路に立たされている。義経公を迎えた町の誇りを次代につなぐために、地域の声が全国に届くことを願ってやまない。

▶詳細はこちら

【情報元:@Press】

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監修:全国寺社観光協会

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