【寺社彩々☆花手水に誘われて Vol.2】美濃國一宮 南宮大社(岐阜県不破郡垂井町)〜参拝者と神様の相互作用を促す場づくり

関ケ原合戦の際に多くを焼失した南宮大社は、寛永19(1642)年、徳川家光によって現在の社殿が再建された。重要文化財の楼門を入ると、目の前に存在感のある高舞殿が建っている。2021年10月から12月まで、花手水の日の夜間参拝に合わせ、新たに高舞殿で「花舞殿」が開催された。夜の高舞殿を花と光で彩る中で舞う巫女たちは幻想的で、多くの参拝者たちを魅了した。

高舞殿で巫女たちによって舞われる花舞伝(南宮大社提供)

「聖なる場所であることは間違いないけれど、それに敷居の高さを感じてなかなかお参りできないというよりは、もっと身近に感じていただきたい。日本人と神様というのはもっと近しい関係ですので、楽な気持ちでお参りにきていただければと思います。そういう意味では花手水も風鈴も、そういうことに一役買っているのではないかと思います」と話す荒井さん。

2022年も新しいアイデアを考えたいと話す権禰宜の荒井寛巨さん(南宮大社撮影)

2021年9月30日をもって緊急事態宣言が全面的に解除されたその翌日、10月1日には、久しぶりの花手水開催に駐車場は満車となり、多くの人たちが美しい花手水を楽しんでいた。

「お参りする人が多いほど、お力は上がっていく」場が神社であり、そこで神様と参拝者との相互作用が発生する。花手水はそれを促すツールなのかもしれない。


美濃國一宮 南宮大社
住所:岐阜県不破郡垂井町宮代1734-1
電話:0584-22-1225
公式HP:https://www.nangu-san.com/


花手水研究会・金山智子(かなやま ともこ)
岩手県大船渡市生まれ。情報科学芸術大学院大学教授(マスコミュニケーション学博士)。ルーラルエリアやマイノリティ、災害や環境などをテーマに長期的なメディアコミュニケーション研究を行なう。近年は記憶、レジリエンス、ケアをキーワードに、フィールドワークや実践プロジェクトを通して、これからの持続可能な社会のあり方について探求している。2021年花手水のケア力に魅了されて花手水研究会を主宰。

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監修:全国寺社観光協会

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