かつてこのまちが輝いていた時代の邸宅が、オーベルジュとして現代によみがえった。
東京から車で2時間半。日本仏教三大霊山のひとつ、山梨県の身延山に、日蓮宗の総本山・久遠寺がある。その山内への入口となる総門をくぐってすぐにあるまちの象徴的な場所に、日蓮聖人降誕800年となる今年(令和3年)、一棟貸しの古民家オーベルジュ「迎賓館えびす屋」が誕生した。
運営にあたっているのは、身延山におよそ20ある宿坊のひとつで、550年の歴史を誇る覚林坊の女将と彼女を慕って集まったユニークな仲間たちだ。
噂によると、迎賓館えびす屋は、どうやら単なる宿泊施設ではないらしい。みるみる元気を失いかけている宿坊街のために、「今動き出さなければ!」と決意した宿坊の女将とそのチームが見ているまちの未来とは!?
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本庭園のアプローチの先に「迎賓館」と呼ぶにふさわしい邸宅がある。古民家再生を得意とする伝匠舎・石川工務所の石川重人社長によると「明治大正期の和と洋の香りが絶妙にミックスされ、文化財としての価値も高い」
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居室は純日本建築。障子を開けると中庭の先には山の景色。現代アーティストの小松美羽さんが宿泊した際に描いた“かくれドラゴン”が潜んでいるので、ぜひ探してみてほしい
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今年4月17日に、日蓮聖人降誕800年祈念奉納ライブペイントを身延山久遠寺で行った小松美羽さん。その滞在先として迎賓館えびす屋を利用した
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和室には、身延山久遠寺の旧書院を手がけた彫師による欄間も残る。実は未完で、よくみると下絵もそのまま
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中庭に面した廊下は、時間を忘れるほどくつろげる
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照明や出窓など、大正期の面影を残す洋間
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アイランドキッチンで調理も可能。調理器具や食器は完備
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新調した浴室は風呂が陶器製
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建物の奥には川に面してテラスが設けられている。ここで瞑想やヨガなどを楽しむのも充実した時間だ