文・田中ひろみ(イラストレーター&文筆家)
女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。奈良市観光大使、よみうりカルチャー・中日文化センター・毎日新聞旅行同行講師ほか、テレビ出演や講演多数。著書 『心やすらぐ仏像なぞり描き』(池田書店)など約70冊。
四国八十八ヶ所霊場はとても有名ですが、それ以外にも日本にはたくさんの霊場があります。たとえば、四国八十八ヶ所の番外霊場のうち20の寺院が集まって出来た「四国別格二十霊場」。四国八十八ヶ所と四国別格二十霊場を足すと 88+20=108になり、人間の百八煩悩と同じになることから煩悩を取り除くことができると考えられています。
私は四国八十八ヶ所は、すでに結願して『ふらりおへんろ旅』(西日本出版社、2010年刊)という本も書かせていただいています。そして四国別格二十霊場も全部巡り、今年(2023年)3月には『四国遍路八十八ヶ所霊場』(西日本出版社)という本も出版しました。そのほか西国三十三所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所を合わせた日本百観音もすでに、巡礼済みです。
島へんろの旅支度
巡礼の魅力に取り憑かれたそんな私ですが、今度は小豆島八十八ヶ所を巡ってきました。小豆島には、仏像の拝観や瀬戸内国際芸術祭で何度か訪れたことがあり、道中で見かけた札所の看板が気になっていました。いつかは、小豆島霊場を巡ってみたいと思っていたのです。
知人でイラストレーターの内澤旬子さんが小豆島に移住され、『内澤旬子の 島へんろの記』(光文社)という本も出されていたので、まず彼女に相談しました。
本やネットなどでは、クルマで4日あれば回れると書いてあったのですが、内澤さんから「それではちょっと厳しいと思う」とにアドバイスをいただき、全行程およそ150Kmを5泊6日で巡ることにしました。
さらに内澤さんからは、小豆島霊場第8番常光寺の副住職・大林慈空さんをキーマンとして紹介してもらい、大変お世話になりました。慈空さんは、普段は常光寺奥の院の2番碁石山の堂守をされていて、小豆島歩き遍路を推奨をする活動をおこなっているお坊さんです。そしてもうひと方、3年前に小豆島を訪れた際に、仏像を拝観させていただいた54番宝生院の住職・高橋寿明さんにもご厄介になりました。