2023年8月22日、東京・平河町の都道府県会館にて、東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺の各代表出席のもと、記者発表会が開催された。
主催の奈良市および奈良市観光協会によると、今年2023年12月に「古都奈良の文化財」がユネスコ世界遺産登録25周年を迎えることを記念して、秋口より来春までの約半年間、その魅力を国内外に発信する記念事業が実施される。
奈良市は、市のイメージと魅力を端的に伝える英語スローガンとして、「Old History, New Discovery」(古い歴史、新たな発見)に決めている。
▪記者発表会の出席者(敬称略)
〈古都奈良の文化財〉
・東大寺 別当 橋村 公英
・興福寺 副貫首 夛川 良俊
・春日大社 宮司 花山院 弘匡
・元興寺 住職 辻村 泰善
・薬師寺 管主 加藤 朝胤
・唐招提寺 副執事長 松浦 俊昭
〈奈良市〉
・奈良市 市長 仲川 げん
・奈良市観光協会 乾 昌弘(会長)、高橋 一(専務理事)
今回発表された記念事業は以下の通りである。
▪「古都奈良の文化財」世界遺産登録25周年記念事業 概要
① 8月1日(火) 〜2024年1月31日(水)※期間中、何度でも拝観可能
「六社寺無料拝観『世界遺産めぐりパス』」の配布
(奈良市内在住在学の小・中学生 約29,000人対象)
② 8月22日(火) ~
史上初!東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺の共通拝観券販売
特典:ハスの花びらをかたどった散華(さんげ)などの記念品、特別御朱印(別途料金が必要)を受け取ることができる。(1冊5000円、2万冊限定)
※奈良市内の観光案内所をはじめ、東京・新橋にある奈良県のブランドショップ「奈良まほろば館」等にて発売
③ 8月22日(火) ~2024年3月31日
期間限定特別御朱印の授与
※共通拝観券購入者だけの特典(別途御朱印料)
〈御朱印のモチーフ〉
東 大 寺 :金銅八角燈籠
興 福 寺 :五重塔西に残る石燈地輪
春日大社:下り藤と釣燈籠
元 興 寺 :板絵智光曼荼羅 中央宝楼閣部分
薬 師 寺 :東塔水煙の笛吹童子
唐招提寺:金堂鴟尾
※期間限定特別御朱印は各社寺の歴史などをモチーフに作成
④ 10月15日(日) ~
世界遺産登録25周年記念ラベルの「ならのふゆ酒」発売
協力:蔵元5社(升平・豊祝・春鹿・梅乃宿・猩々)
⑤ 11月(毎金・土)
「古都奈良の文化財」世界遺産六社寺 秋の夜間特別拝観
夜間特別参拝が行われるほか、美しい夕景や夜景を若草山山頂へ観に行く、奈良若草山トワイライト・夜景観賞バスも運行予定。
※期間中の土曜日運行(JR・近鉄奈良駅を出発、予約制)
⑥ 11月下旬~12月上旬
「古都奈良の文化財」シンポジウム(日程調整中)
⑦2024年1月~2月
ならまち・きたまちを舞台に奈良冬の大和路キャンペーン
そのほか、6社寺に限らず、奈良を舞台にさまざまな展開が予定されている。公式ホームページほかSNSなどで確認したい。
「古都奈良の文化財」世界遺産登録25周年 関連サイト
▪記念WEBサイト
▪公式Twitter(X)
▪公式インスタグラム
▪公式Facebook
▪「古都奈良の文化財」とは
998年12月「古都奈良の文化財」としてユネスコ世界遺産リストに登録。以下の8つの資産で構成されており、全てが奈良市内に位置している。
〈国宝建造物があり、敷地が史跡に指定されているもの〉
東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺
〈特別史跡・特別天然記念物に指定されているもの〉
平城宮跡(特別史跡)・春日山原始林(特別天然記念物)
※「古都奈良の文化財」世界遺産登録25周年記念ロゴマークについて
デザインは奈良を象徴する鹿と平城宮跡第一次大極殿のイメージからなり、メインカラーは「丹色(にいろ)」。丹(に)とは、赤い土や顔料の意味で、最古の赤色塗料の総称。春日大社をはじめとする「古都奈良の文化財」の中心をなす寺社で、鳥居をはじめ朱塗りや丹塗りが多く使われてきたことによる。