ミュージアムで至宝に釘付けとなる贅沢な時間。
ふと、頭上を仰ぐ。
すると、時を越え、天から金言・至言が舞い降りる。
東京・福岡・京都と3つの国立博物館を巡回する展覧会、伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」が、その皮切りとなる東京国立博物館 平成館で開幕の運びとなった。2021年は、日本天台宗の開祖「伝教大師最澄」1200年の大遠忌(だいおんき)にあたり、これを記念して企画された歴史的催事である。
最澄が開いた天台宗の総本山である比叡山延暦寺は、数多くの高僧を輩出し、日本の文化に大きな影響を及ぼしてきた。浄土宗の開祖・法然、浄土真宗の開祖・親鸞、臨済宗の開祖・栄西、曹洞宗の開祖・道元、日蓮宗の開祖・日蓮、時宗の開祖・一遍などなど、まさに日本仏教の源と言っても過言ではない。
その比叡山延暦寺はもとより、全国各地の天台宗諸寺院などから、天台の秘宝・名宝・秘仏が集い、まさに1200年に及ぶ「最澄と天台宗のすべて」を体感することができる貴重な機会となる。
そして冒頭の、天から金言・至言が舞い降りる仕掛けである。
ひょっとすると、目の前の歴史的な至宝の数々に目を奪われて、まったく気が付かずに会場を後にする観覧者も少なくないかもしれない。それではあまりにも、もったいない。
文字通り「最澄と天台宗のすべて」を目撃するためにも、寺社Nowでは、秘宝・秘仏の詳細な紹介は他のサイトに任せて、あえて「天から舞い降りる声」に注目したい。