コロナ禍中止からの大逆転!京都ゆかりの国宝&皇室の至宝一挙公開!京博「京(みやこ)の国宝—守り伝える日本のたから—」奇跡の開幕

逆境で真価が問われる。
京博(キョーハク)は、その逆境にあって矜恃を示し、真価を発揮しようとしている。

京の国宝

京都国立博物館:日本博/紡ぐプロジェクト 特別展「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」2021年7月24日〜9月12日

通称「キョーハク」こと京都国立博物館にて、待望の、日本博/紡ぐプロジェクト 特別展「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」が開幕の運びとなった(2021年7月24日〜9月12日)。

本展は、もともと昨年春、京都市京セラ美術館で開催予定だったが、コロナ禍で中止となってしまい、それが今回、会場を京博に移して実現される。

当企画は、東京オリンピック・パラリンピックに関連して日本の文化を世界に発信する「日本博」の一環であり、また文化庁、宮内庁、読売新聞社が官民連携で進める「紡ぐプロジェクト」のひとつとして企画されたスペシャルな展覧会である。

通称「キョーハク」こと京都国立博物館。ちなみに東京国立博物館は「トーハク」、奈良国立博物館は「ナタハク」、九州国立博物館は「キューハク」と呼ばれている。

ということで、オープニング前日の内覧会に馳せ参じたが、まさに「眼福」というほかない。建仁寺蔵「風神雷神図屏風」や、東寺(教王護国寺)蔵「梵天坐像」はもとより、〝文化財のゆりかご〟とでも言うべき、京のみやこにゆかりのある国宝72件、重要文化財8件を含む、総計120件もの日本の至宝が一挙公開されているさまは文字通り圧巻だ。

中止となった京セラ美術館での展示は全部で約40件が想定されていたようだが、その後昨年9月に京博での開催が決定し、通常であれば準備に3年はかかるこの規模の特別展としては異例の短期間で、当初規模の3倍にも及ぶ堂々たる布陣での公開に至った。

会場は 〈第1章:京都―文化財の都市〉 〈第2章:京の国宝〉 〈第3章:皇室の至宝〉 〈第4章 今日の文化財保護〉・・・以上、4つの章で構成されている。コロナ禍で中止となった京セラ美術館で予定されていた章立てに加えて、京博で開催するにあたって、第1章と4章が新たに加えられた。今に残る古のたからは、時代を超えて大勢の人たちの手を経て過去から現代へと伝えられてきた。そして今、京博がそのたからを未来へと伝えていく。特別展の副題「守り伝える日本のたから」にそうした思いと覚悟が読み取れる。

国宝 梵天坐像 平安時代(9世紀)/京都・東寺(教王護国寺)蔵 (通期展示)は、内覧会でもひときわ取材のカメラが集まった。

春日権現験記絵 巻二(部分) 絵:高階隆兼筆 詞書:鷹司基忠ほか筆 鎌倉時代 延慶2年(1309)頃 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 (通期展示〈巻二は前期展示〉)・・・春日権現験記絵は、藤原氏の氏社、春日社の神々の霊験譚を集めた絵巻で、絹に描かれた絵巻としては現存最大規模の二十巻九十三段を完備している。2021年7月16日に、文化審議会から文部科学相に、国宝に指定するよう答申があった。

同上(春日権現験記絵 巻二 部分) 絵:高階隆兼筆 詞書:鷹司基忠ほか筆 鎌倉時代 延慶2年(1309)頃 東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵 (通期展示〈巻二は前期展示〉)

展示の中に、今まさにこの瞬間、国宝になろうとしている「春日権現験記絵(かすがごんげんげんき)」があり、これを見逃すわけにはいかない。

つい先日、文化審議会が、かつて皇室が所有し、現在は国の財産として皇居・三の丸尚蔵館に収蔵されている文化財のうち5件を国宝に指定するよう、文部科学相に答申したばかりだが、その5件のうちの1件がこの「春日権現験記絵」だ。今後、皇室の至宝が各地で公開されるその先例となる。

春日権現験記絵には、北条義時を主人公とする2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(脚本:三谷幸喜)の重要なシーンになるであろう場面も見られる。

とにもかくにも、「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」は、コロナ禍にあっておそらく幾多のハードルを乗り越えての開催であったと想像するが、未曽有の逆境をバネに、当初計画を遙かに凌ぐ規模と内容の特別展をねばり強く実現させた関係者の皆さんに敬意を表すると共に、この国に京博があり、そしてこの国の宝を守り伝える人たちがいることを、何よりも誇りに思いたい。

2021年の夏、東京オリンピック・パラリンピックに負けず劣らず、歴史と文化と日本の美が京博を舞台として躍動する!

国宝 風神雷神図屏風(右隻) 俵屋宗達筆 江戸時代(17世紀) 京都・建仁寺蔵 (8月24日〜9月5日展示)

国宝 十二天像のうち水天 平安時代 大治2年(1127) 京都国立博物館蔵(通期展示<水天は前期展示>)

国宝 松に秋草図屏風 長谷川等伯筆 桃山時代 文禄元年(1592)頃 京都・智積院蔵 (前期展示)

国宝 法然上人絵伝 巻九(部分) 鎌倉時代(14世紀) 京都・知恩院蔵(通期展示<巻九は後期展示>)

展覧会概要

日本博/紡ぐプロジェクト
特別展「京(みやこ)の国宝─守り伝える日本のたから─」

会期:2021年7月24日(土)~9月12日(日)
[前期 7月24日(土)~8月22日(日) / 後期 8月24日(火)~9月12日(日)]
※一部の作品は上記以外にも展示替を実施
会場:京都国立博物館 平成知新館
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
休館日:月曜日(8月9日(月・振替休日)は開館)、8月10日(火)
開館時間:9:00~17:30(入館は17:00まで)
観覧料:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 700円
※価格はいずれも税込
URL https://www.kyohaku.go.jp
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/miyako2021

■事前予約〈優先制〉
・入館は、日時指定券の購入者が優先
・日時指定券は、6月1日(火)より、ローソンチケットにて発売予定
・予約不要の当日券も、会場にて若干数用意

【問い合わせ先】
京都国立博物館
TEL:075-525-2473 (テレホンサービス)

■守り伝える日本のたから(紡ぐプロジェクト HPより)
いま私たちが目にすることの出来るいにしえの品々は、多くの人々の手を経て、過去から現代へと伝えられてきました。我が国はそうした貴重な文化財のうち、特に歴史上、芸術上たぐいない価値を持つものを国宝や重要文化財に指定し、国民共通の財産として保全を図っています。この制度の基礎である文化財保護法は、太平洋戦争後まもない昭和25年(1950)に制定され、今日に至る70年あまりの間、学術の発展や社会の変化とともに歩みながら、少しずつ指定を拡充させてきました。
とりわけ古都、京都の文化財は早くから重視され、文化財保護の進展に重要な役割を果たしてきました。この日本を代表する歴史都市は、同時に我が国の誇る学問や芸術の一大拠点でもあり、令和4年度には文化庁の京都移転も控えています。
本展は、そのような京都ゆかりの名高い国宝、皇室の至宝の数々を中心にご覧いただきながら、文化財のもつ不滅の魅力とその意義をご紹介しようとするものです。会場では、長きにわたる我が国の文化財保護のあゆみや、日々の調査研究、防災、修理といった、文化財を守り伝える上で欠かせない様々な取り組みも取り上げます。本展を通じ、日本の歴史と美術工芸の粋をご堪能いただくとともに、私たちの社会にとってかけがえのない文化財を後世に伝える営みに想いを馳せていただければ幸いです。

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